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衆院は通過したけれど…!? 〔臓器移植 反対〕 [社会]

 今朝の新聞をみると、移植法改正案のA案が、賛成263、反対167、投票総数430、欠席・棄権47(※衆院定数480、議長1、欠員2)で、昨日、衆院を通過したとのことです

 推進派の方々におかれましては、お慶びのことと思います


(2009年6月19日金曜日、讀賣新聞 1面)
臓器提供 年齢制限なし
移植法改正案 A案 衆院通過 「脳死は人の死」

 臓器移植法改正案は18日、衆院本会議で採決され、脳死を「人の死」とすることを前提に、現行は禁止されている15歳未満からの臓器提供を可能とすることを柱としたA案が賛成多数で可決された。審議の舞台は参院に移るが、A案の成立に消極的な意見や慎重審議を求める声が出ており、成立までには曲折も予想される。<衆院議員の投票一覧12面、関連記事3・13・31面>

 採決は記名投票で行われ、賛成263、反対167だった。投票総数は430で、欠席・棄権は47だった。共産党を除く各党は、同改正案の採決は個人の死生観に基づく問題であるとして、党議拘束をかけず議員個人の判断に賛否を委ねた。
 その結果、自民党はA案への賛成票202で全体の7割を超えた。民主、公明の両党は反対票が賛成票を上回った。共産党は「採決は時期尚早」として採決を棄権した。社民党は全員が反対票を投じた。
 A案は脳死が「人の死」であることを前提とし、本人意思が不明でも生前の拒否がない限り家族の承諾で臓器提供できるようにする。現行では意思表示できる年齢を15歳以上としているが、A案は本人意思が不明でも臓器提供を可能としているため年齢制限が撤廃され、乳幼児からの臓器提供が可能となる。また親族への臓器の優先提供についても本人の意思表示ができると定めている。
 国会に提出された四つの改正案のうち、最も臓器移植の機会を拡大する可能性があり、患者団体や日本移植学会などが支持していた。
 ただ脳死を「人の死」とする考え方には慎重論も多く、参院でもこの点が焦点になることは必至だ。1997年6月に成立した現行法も、衆院通過時点では脳死を一律に「人の死」としていたが、参院で「臓器移植の場合に限り脳死を人の死とする」という内容の文言を加筆する修正が行われた経緯がある。A案は参院で修正された部分を現行法から削除しており、参院の判断が注目される。
 A案の衆院通過を受けて、参院議院運営委員会は18日の理事会で、審議日程を協議した。自民党が19日の参院本会議での趣旨説明を求めたのに対し、民主党は「早急すぎる」として反対。このため参院本会議での採決は7月にずれ込む可能性もある。
 A案とともに衆院に提出された改正案は、臓器提供可能年齢を現在の「15歳以上」から「12歳以上」に引き下げるB案、脳死の定義を厳格化するC案、15歳未満について家族の同意と第三者による審査を条件に可能とするD案の3案。最初に採決されたA案が過半数の賛成を得て可決したため、採決されないまま廃案となった。
=========================(引用終り)

【現行の臓器移植法と、改正案A案の違い】
・提供年齢
 現行法>15歳以上
 改正案>0歳から
・提供条件
 現行法>本人の書面による意思表示と家族の同意
 改正案>本人の生前の拒否がなければ家族の同意
・脳死の適用
 現行法>臓器提供時に限り「人の死」
 改正案>脳死は「人の死」との立場
・親族に対する優先提供
 現行法>規定なし
 改正案>認める


 衆院は通過しましたが、参院の審議を経て裁決されるのは、7月にずれ込む可能性もあるとのことです。参院で採決がされないまま、衆院が解散した場合は、廃案となる可能性があります。推進派の方々は、参院での審議開始を一日でも早くして欲しいと願っておられることと思います。

 国会が法改正を急いだきっかけは、世界保健機関(WHO)が「臓器提供と移植を国内で完結させ、渡航移植を禁止する」ことを求めると伝えられたことだった。しかし、WHOが実際に求めていたのは、臓器売買だけでなく、人体組織全般の売買と取引の禁止だった。とのことです。
 衆院で可決されたA案は、この問題に対応する規定を一切盛り込んでいない。同案がこのまま成案になっても、国際社会の要請に応じることはできない。という問題があるようです。

 このまま改正法案が成立しても、救急医療の体制整備が大きな課題になると思います。救急患者の受け入れ拒否をせざるを得ないような、貧弱な救急医療の現場に、臓器移植のために、厳格な「脳死判定」をやるような余裕が、本当にあるのでしょうか。

 「脳死」を「人の死」とすることに、抵抗がある人はまだ多いと思います。
 特に、自分の子供が「脳死」状態になった場合、まだ心臓が動いている状況で、自分の子供の死を受け入れることが可能かどうかは、極めて微妙な問題ではないかと思います。
 少なくとも、私のような駄目オヤジに、そんな理性の持ち合わせを、期待しないで欲しいのですが…

 どちらにしても、「他人の死を待つ臓器移植」という特殊な医療体制の整備が本当に優先されるべきことなのかどうかと思います。
 それよりも、普通の救急医療や小児医療、産婦人科などの充実を図り、一人でも多くの命を救うための努力をする方が先ではないのか…

 なんてことを、今日もぼやいている駄目オヤジなのですが。。。。(小父蔵)
 


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小父蔵

皆様より、沢山のnice!を頂戴し、誠に有り難うございます

 今後の、国会審議を見守りたいと思います
by 小父蔵 (2009-06-24 19:23) 

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