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大気の温度分布 [科学]

大気の科学 (環境と科学)

大気の科学 (環境と科学)

  • 作者: 河村 哲也
  • 出版社/メーカー: インデックス出版
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 単行本


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1.2 大気の温度分布

 図1.1は横軸に温度、縦軸に高さをとった図で、中緯度における典型的な温度と高さの関係を示しています。この図から、高度12kmあたりまで直線的に温度が低下していますが、そのあと温度は一定になり、今度は逆に高度とともに温度が増加していることがわかります。さらに上空にいって50km程度になると温度は変化しなくなり、そのあと温度はもう一度下がっています。
 地表から温度が下がり続ける領域を対流圏、それより上でもう一度温度が下がる領域を中間圏といいます。中間圏よりさらに上になると温度が上がり続け、熱圏といいますが、気象現象に関連するのは主に対流圏です。対流圏と成層圏の境界を対流圏界面または略して圏界面、成層圏と中間圏の境界を中間圏界面といっています。

図 1-1.jpg

 このような温度分布は地球独自のもので、金星や火星はかなり上空になるまで温度が下がり続けます。大気は上空にいくほど膨張していて温度も低いはずなので、成層圏のような特異な温度分布をもつ層があるのは何らかの理由があるはずです。実はこの温度分布にはオゾンが関係しています。図1.1にはオゾン密度の高度分布も示してありますが、成層圏でオゾン密度が大きくなっていることがわかります(特にオゾン密度の大きい厚さ20km程度の層をオゾン層といっています)。
 大気中の酸素は紫外線を受けるとオゾンになりますが、このオゾンが紫外線を吸収し、発熱します。すなわち、オゾンによって大気が暖められます。オゾン密度の最大値と成層圏の温度のピークがずれているのは、オゾンが多く存在する場所に紫外線が到達する前にかなりの部分が吸収されていて、紫外線が弱くなっているためです。金星や火星に成層圏が見られないのはオゾンのもとになる酸素がほとんどないためです。
 圏界面は大気にとってちょうど蓋のような役目を果たします。理由は以下のとおりです。もし、空気のかたまりが圏界面を越えて上方に移動しようとしたとします。そのとき上空にいくほど気圧が下がっているため、空気は膨張して温度が下がります。ところが成層圏ではまわりの温度が変化していないか逆に温度が上がっています。ここで冷たい空気の方が密度が大きく重いことを思い出すと(ボイル・シャルルの法則)、空気のかたまりが上昇しようとしても、まわりの暖かい空気の密度が小さいため、相対的に重くなって下に押し戻されるため蓋になるというわけです。
 圏界面は地上から見ることができます。積乱雲(雷雲)は急速に盛り上がっていきますが、ある程度、高くなると上方に伸びることができず頭うちになって横に広がり、遠方から見ると「かなとこ」状になります。その頭打ちになったところが圏界面と考えられます。圏界面の下では大気はさかんに対流現象を起こしています。対流圏というのはそのためです。多くの天気現象はこの大気の対流に起因し、対流圏における現象といえます。
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>大気は上空にいくほど膨張していて温度も低いはずなので…

 これを逆に言い変えると、
「大気は、地表に近づくほど圧縮されていて、温度も高いはずなので…」
 となります。
 大気の中心(高度6000m:-18℃)に比べて、地表の気温(平均15℃)が高いのは、大気の厚みによる昇温作用(断熱圧縮)が働いているからなのです。

 それと、地表の気温が高いもう一つの理由は、熱源である地表に近いのが原因なのです。空気はあまり熱伝導性がよくないので(断熱性が高いので)、太陽光で温められた地表に近いところのほうが、上空の空気よりも温度が高くなるのは当然なのです。

 試しに、マッチを擦って火を点けてみてください。マッチの先端は数百度で燃焼しているはずです。でも、空気と木材は断熱性が高いので、マッチの軸にある程度の長さがあれば、マッチを持った指は熱くないと思います。これと同じように、太陽光で温められた地表に近い空気は温度が上がります。でも、空気の断熱性が高いので、上空の空気はすぐには温まらないのです。
 太陽光線が地表に降り注ぐ日中は、上空の空気よりも地表の空気が温かいのは、空気の断熱性が高いのも一つの原因なのです。

 人間は地表に住んでいます。だから、人間にとっては、地面から1.5~2.0mの、地表に近い所の気温が重要に思えるのは仕方がないと思います。でも、地球温暖化のような、地球の大気がどう温まっているかを議論するときに、大気の下端で温度を測って、太陽放射と地球のアルベド(反射能)から計算される平均気温の-18℃よりも、実際の平均気温は15℃で、33℃も昇温していると騒ぐのは馬鹿げているのです。
 例えば、床に暖房をつけ、天井に冷却パネルをつけた、高さ12mの実験室があると想像してみて下さい。その実験室の室温が何度になるか計算した理論値と、実際に温度計で測った室温を比較する場合です。暖房をつけた床から、1.5~2.0mmの部分の温度を測って、理論値よりも温度が高すぎると騒いだとしたら… なんて馬鹿なことを言っているのかと思いませんか。実験室の中心(高さ6m)の室温を測れば、理論値どおりの温度になっているのに、熱源に近い1.5~2.0mmのところの温度が高くなるのは、空気の断熱性による温度勾配が生じているだけの話だと思うのが妥当なのです。

 地球温暖化論のおかしなところは、大気の厚みによる昇温作用(断熱圧縮)を無視した議論をしていること。高さ12kmの大気(対流圏)の下端(高さ1.5~2.0m)の温度だけをみて大騒ぎしていることの二つだと私は思います。

(by 心如)

・・・

【おまけ】

◎大病?
 あるトルコ人が医師を訪れた。
「先生、実はとても困っています」
「どうされました?」
「実は指で身体を押すと、強い痛みが走るんです。それが胸を押しても腹を押してもそうだし、腰でも腕でも、足でもそうなんです」
 医師はしばらく診察したが、やがてこう言った。
「わかりました。あなたの病名は指の骨折です」

・・・

〔地球温暖化、気候変動、温暖化詐欺〕


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