So-net無料ブログ作成

太陽放射と地球放射 [科学]

北極と南極の100不思議

北極と南極の100不思議

  • 作者: 神沼 克伊
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 単行本


―――――
19 太陽放射と地球放射

 太陽の表面温度は約6000℃です。この温度に見合ったエネルギーが周りに放出されています。これを太陽放射と呼びます。地球はこの太陽放射を受け取っていますが、これが唯一の地球のエネルギー源です。地球は、このエネルギーの30%を反射し、70%を取り込みます。地球は年間で平均して見ると、どんどん暖まったり、どんどん冷えたりせず、エネルギーの収支が平衡しているので、地球から外に向かって、取り込んだエネルギーに見合った、放射を行っていることがわかります。地球表面は絶対温度で約300Kですが、この地球表面から外に向かって出ていく放射のことを地球放射と呼びます。太陽放射と地球放射を比較すると太陽放射は通常光と呼ばれる可視光の波長の放射で、地球放射は赤外線と呼ばれる赤外の波長の放射です。このため、波長の長い地球放射を長波長放射、波長の短い太陽放射を短波長放射とも呼びます。
 地球には大気がありますが、仮に大気がないと仮定して、太陽放射と地球放射が平衡になる地球表面の温度を計算すると、約マイナス18℃となります。実際の地球表面の平均温度は約15℃ですが、この差は大気が存在することが大きな理由です。すなわち、大気中には、太陽放射の通過には影響を与えないけれど、地球放射には影響する気体があるためです。例えば二酸化炭素や水蒸気などは地球放射を吸収して大気を暖めるのに貢献しています。
 ここまでは地球全体についての話をしましたが、今度は緯度による違いを考えましょう。人工衛星の観測から得られた年間の反射率(アルベドと呼ぶ)と太陽放射量、地球放射量の値を経度ごとに平均して得られた結果を図に示します。アルベドの図から極域では約60%も太陽放射を反射してしまうことがわかります。これは極域に広大な雪氷面があるためで、特に南極域で大きな値を示しています。南極が寒い大きな原因です。
 さらに太陽放射から地球放射を引いた値(放射収支)が正である地域と、負である地域があることがわかります。もし熱の緯度方向への流れがなければ、その場所へ入ったエネルギーのすべてを外へ出し釣り合うはずですからこの二本の線は重なるはずです。それが緯度35度付近を境にして逆転しているということは、低緯度側から高緯度側へのエネルギーの輸送があることを示しています。大気や海洋はこのエネルギーの輸送に貢献しています。すなわち赤道域は熱源となり、これに対して極域は冷源になっているということがわかります。
(和田 誠)

衛星観測によるアルベドと太陽放射.jpg
―――――

>地球には大気がありますが、仮に大気がないと仮定して、
>太陽放射と地球放射が平衡になる地球表面の温度を計算すると、
>約マイナス18℃となります。
>実際の地球表面の平均温度は約15℃ですが、
>この差は大気が存在することが大きな理由です。

 地球に大気がないと仮定し、太陽放射と地球放射が平衡になる地球表面の温度を計算すると、約マイナス18℃になるというのは妥当かも知れません。
 また、実際の地球表面の平均温度が約15℃だというのも妥当なところではないかと思います。
 「この差は大気が存在することが大きな理由だ」と考えるのは問題ないと思います。

 地球に大気がなければ地表の平均温度が約マイナス18℃と計算され、大気がある地球で実際に観測され気温に基づいて、全球の年間平均気温を推計すると約15℃になるのです。大気がないと仮定した場合の平均温度と、大気がある地球で実際に観測した平均気温の差だから、その理由が大気の存在であるのは当然です。

 地表は、大気がない場合はマイナス18℃で、大気が存在する場合は約15℃なのです。大気の存在が地表を33℃くらい温めていると考えるのは妥当と思います。

 問題は、その後に続く文章です。
>すなわち、大気中には、太陽放射の通過には影響を与えないけれど、
>地球放射には影響する気体があるためです。
>例えば二酸化炭素や水蒸気などは
>地球放射を吸収して大気を暖めるのに貢献しています。

 大気の存在によって、大気がない場合に比べて地表が温かくなっているのはよいとして、その温める仕組みをいわゆる温室効果と呼ばれるものだけをあげて説明しています。他の大気の作用について何も触れらていません。
 ここを読むと、まるで「大気の存在=温室効果」という誤解を与えるので問題だと私は思います。
 地表の熱が大気を暖める作用は、放射(26w/m^2)だけではないのです。潜熱(78w/m^2)と対流(24w/m^2)による地表から大気への熱の移動を無視し、地球放射だけが大気を温めているような記述は間違いなのです。

 また、地球が太陽放射の約30%を反射し、約70%を受け取っているのは事実と思います。
 しかし、大気のある実際の地球では、受け取る約70%が全部地表まで届いているわけではないのです。地表が受け取る太陽放射は約49.1%です。約19.6%は大気が直接取り込んでいるのです。
 つまり、大気は太陽放射の19.6%を吸収し、地表から潜熱による22.8%と、対流による7%と、放射による7.6%を受け取っているのです。大気を素通りする地球放射11.7%に、大気を温める効果が無いのは言うまでもありません。

 太陽放射を100%とすると、約31.3%は地球に反射されています。よって、地球に取り込まれるのは約68.7%になるのです。そのうちの11.7%は大気に吸収されないで、地表から宇宙に直接逃げています。大気を温めるのは、太陽放射の57%になる計算です。
〔太陽放射の19.6%+潜熱22.8%+対流7%+地球放射7.6%=太陽放射の57%〕

 地表が受け取る太陽放射は、342w/m^2の49.1%の168w/m^2です。この値で、地表の放射平衡温度を計算すると、シュテファン・ボルツマンの法則より、
  E=σT^4 〔σ=5.67×10^-8J/m^2・s・K^4〕
  T^4=E/σ
  T=(E/σ)^(1/4)
  =(168/5.67×10^-8)^(1/4)=233.3K(-39.7℃)となります。

 地球に大気がある場合、地表が受け取る太陽放射の168w/m^2に基づいて、放射平衡温度を計算すると、地表の平均温度はマイナス39.7℃くらいになるのです。でも、実際の地表の平均気温は約15℃もあるのです。この差は、どうして生じているのでしょうか。

 大気が受け取る熱量は、太陽放射の57%で195w/m^2ですから、この値を使って放射平衡温度を求めると、
  T=(195/5.67×10^-8)^(1/4)=242.1K(-30.8℃)となります。

 この値も、地表で観測された平均気温の約15℃とは大きく異なります。

 仮に地球に大気が無いと仮定し、反射率だけは同じだとした場合、太陽放射の68.7%である235w/m^2を地表が受け取るとして、放射平衡温度を計算すると、
  T=(235/5.67×10^-8)^(1/4)=253.7K(-19.3℃)となります。

 この値が、地球の大気に温室効果がなければ、地球の平均気温は-18℃ないし-19℃と巷で言われている根拠なのです。

 ここで、面白いことに気付かれた方が多いのではないか思います。放射平衡温度を計算すると、地球に大気がない場合の放射平衡温度の-19.3℃が一番大きな値になるのです。
 地球に大気がある場合、地表が受け取る熱量168w/m^2で計算すると、地表の放射平衡温度は-39.7℃なのです。また、大気が受け取る熱量195w/m^2で計算すると、大気の放射平衡温度は-30.8℃となります。

 放射平衡温度だけで考えると、地球に大気が有るほうが、地表や大気の平均温度が低くなるというおかしな計算になってしまうのです。

 地球の外から見ると、大気から宇宙への195w/m^2と地表から宇宙への40w/m^2を加えた235w/m^2の赤外線が地球放射として観測されると思います。これは、地表と大気を合わせた場合の放射平衡温度はやっぱり-19℃になることを示しています。

 これらのことから言えるのは、太陽放射と地球放射だけで、大気の温度を説明するのは無理があるという事ではないかと、私には思えてなりません。

(by 心如)

・・・

【おまけ】

◎遭難
 ある日、ポーランドの貴族や学者たちが山登りに行った。しかし、途中で道がわからなくなった。その中の一人が現在の位置を確認しようと地図を広げた。
 みんなは地図を見ながらそれぞれ意見を述べ始めた。みんな知識人であるために議論は白熱し、なかなかまとまらない。いつしか唾を飛ばしての激論となった。そのうちに、その中でもっとも賢いと尊敬されている男が、向かい側の山頂を指差しながら、誇らしげに口を開いた。
「みんな、とうとうわかったぞ。この地図によれば、我々はあの山頂にいる」

・・・

※ 地球温暖化脅威論は、このジョークと同じにおいがすると感じるのは、私だけでしょうか…


nice!(14)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 14

コメント 4

gen

>大気中には、太陽放射の通過には影響を与えないけれど、
>例えば二酸化炭素や水蒸気などは
>地球放射を吸収して大気を暖めるのに貢献しています。
この文章おかしいですね。
そうだとすると曇っている日も同じ温度になるのかな?
雲=水蒸気
素人でも首をかしげたくなる文章です。

by gen (2011-12-26 16:33) 

心如

genさん、コメントを頂き有り難うございます

 雲は、水や氷の細かな粒で出来ています。水蒸気は可視光線を透過させます。しかし、雲は可視光線を透過させません。そういう意味では、雲=水蒸気ではなくて、雲の原料が水蒸気と考えるべきかも知れませんね。
by 心如 (2011-12-26 20:40) 

旅爺さん

日毎に寒さが増してきてますね。
寒さに負けづに良いお年をお迎えくださいね。
by 旅爺さん (2011-12-28 06:56) 

心如

旅爺さん、コメントを頂き有り難うございます
 今朝は、気温が零度で、車のフロントガラスが凍っていました。寒さは、これからが本番ですから、風邪等に気をつけたいと思います。
by 心如 (2011-12-28 19:12) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0