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原子炉の延命はしないほうが良いと思います [雑感]

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http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120106-OYT1T00986.htm
 原発40年で原則廃炉…政府が規制法改正案

稼動から三十年以上の原発.jpg


 政府は6日、原子力発電所の運転を原則として40年以上は認めないとする原子炉等規制法改正案を発表した。

 東京電力福島第一原発事故を受けて、政府が新たな原子力安全規制の強化策として打ち出した。原発の運転期間を法律で制限するのは初めて。次期通常国会に改正案を提出する。

 原発の老朽化対策は、稼働から30年で電力各社が安全性の技術的な評価をするよう、既に同法で義務づけられている。その後も10年ごとに経済産業省原子力安全・保安院が安全性を審査するが、運転期間の制限はなかった。

 改正案では、安全性にかかわる最新の基準や技術を既存の原発に反映させる「バックフィット」という仕組みを導入。30年の節目以外も常に古い原発のチェックを行う体制にする。

(2012年1月6日19時59分  読売新聞)


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 原則40年で廃炉というのは良い事だと思います。

 原子炉の耐久性は、設計の時点では何年になっているのでしょうか。「原発の老朽化対策は、稼働から30年で電力各社が安全性の技術的な評価をするよう、既に同法で義務づけられている。」という点から見て、本来の耐用年数は30年ではないかと推察します。
 これが事実だとしたら、30年で廃炉でもよいと思います。どんな工業製品であっても、初期不良と経年劣化は避けられないのです。設計時の耐用年数を超えて稼動させれば、事故を起こす可能性はどんどん高くならざるを得ないのです。
Bathtub_curve.jpg

 古くなった原子炉を目先の損得で延命し、もし重大事故を起こせば、原発に対する国民のアレルギーは決定的なものになります。経済的な損得よりも、人類の幸福にとってなにが大切なのかをよく考えて欲しいのです。

 原発に依存すれば、短期的には、便利で快適な生活ができるかもしれません。しかし、原発は今後、何万年も使い続けることができる技術ではないのです(せいぜい、あと千年くらいしか使えない技術です。原発を維持するには、化石燃料が必要だからです。化石燃料が枯渇すれば、原発建設に必要なセメントや鉄を大量に手に入れることが出来ません。これは新規の原発を建設できなくなることを意味します)。

 世の中には、あと何十年か、何百年くらいで化石燃料が枯渇するから、原発が必要だと主張する人がいます。でも、化石燃料が無ければ、原発は維持できないのです。化石燃料の枯渇に備えて、原発を推進しようというのは意味の無い議論だと思います。

 国民の大半が、新たな原発の建設に反対している現状を顧みれば、耐用年数が経過して劣化した原子炉は速やかに廃止・解体すべきです。遅かれ早かれ、人類は原子力に依存しない文明を築かざるを得ないのです。その未来の人類に、未処理の使用済み核燃料や、捨て場に困る核廃棄物を、大量に残すなんて、とても許さることではないと思います。運転を停止した原子炉を、解体するのにも資源とエネルギーが必要なのです。使える化石燃料が残っているうちに、廃炉を済ませておかないと、未来の人類に解決不能な難題を押し付けることになりかねません。

 世の中には、自分たちが出したゴミ(使用済み核燃料と核廃棄物)や、自分たちが作り老朽化した原子炉の後始末を、何十年、何百年先の子孫に押し付けて知らん顔を決め込む、無責任極まりない輩もいるようです。そういう方とは議論をしても意味がないと思います。原発の利益を受けた我々の世代が、責任を持ってその後始末を済ませておくのが当然だというのが私の考え方なのですから…

(国策で原発を推進してきた日本に、膨大な借金と核廃棄物だけが残るなんて悲惨ですね)

 人類が地球に誕生して、数百万年と言われていますが、原子力が無かった時代のほうが圧倒的に長いのです。原子力に頼らなくても、人類は存続できると思います。

 原発が無いと、人類が滅亡するかのようなことを言うのは、人類の歴史を正当に評価せず、人類の可能性も信じない愚か者ではないかと私は思っています。

(by 心如)

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【参考リンク】
http://web.diamond.jp/rd/m2021874
今度は“2000年に1度”の大津波が西日本を襲う!?
30~40年以内に必ず来る「3つの巨大地震」の正体
――東海大学地震予知研究センター・長尾年恭教授

 2011年は3月11日に発生した東日本大震災によって、日本中が大地震&巨大津波の恐怖に震えた年だった。2012年以降も引き続き大地震の発生が懸念されるが、そんななか東海大学海洋研究所・地震予知研究センター長の長尾年恭教授は、「これから30~40年の間に、“3つの大地震”が日本を襲う」と警戒を呼びかける。では、その“3つの大地震”は一体どこで起き、どのような被害を及ぼすのだろうか。2012年もまだまだ油断できない大地震の正体について長尾教授に詳しく聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子)
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コメント 4

shira

 現役の原子炉を今すぐ止めるわけにも行かないのなら、古い方から順に廃炉にするのは合理的な判断でしょう。ところが読売新聞は社説でこの方針に真っ向から反対しています。
by shira (2012-01-08 20:42) 

心如

shiraさん、コメントを頂き有り難うございます
 これから30~40年以内に、2000年に一度という規模の大地震と大津波が西日本を襲うという予測もあるようです。
 いま動いている原発もなるべく早く止めて、福島第一のような原発事故を再発させないほうが良いと、私は思います。
by 心如 (2012-01-09 08:59) 

袋田の住職

経済性よりも安全第一で対処して欲しいものです。

by 袋田の住職 (2012-01-09 17:59) 

心如

袋田の住職さん、コメントを頂き有り難うございます
 新品の原子炉なら安全で、古い原子炉が危険だとは一概に言えないのか知れません。しかし、設計時に想定した耐用年数が経過したら、速やかに廃炉・解体して欲しいと思います。無理に延長して事故が起きたら、言い訳はできませんから。
by 心如 (2012-01-09 19:20) 

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