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二酸化炭素の排出削減に、温暖化防止効果はありません [気候変動]

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伊藤公紀blog

 2007年のIPCC第4報告書が出た後、過去気温の研究のレベルは大いに上がった。ここでは、最近のデータを紹介したい。特に、スウェーデンのクリスチャンセンのグループが2012年に発表した北半球気温解析は、従来の解析よりも大きな気温変動を見せていて、中世温暖期の気温は現代の気温と同程度になっている。また、17世紀の小氷期も顕著だ。

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図1. 過去千年の北半球気温解析。B. Christiansen and F. C. Ljungquvist, Climate Past, 8, 765-786 (2012)より。

 彼らの解析の新しい点は、世界各地で採取された試料から得るデータを、試料が採取された場所の器機測定気温データで校正したことだ。考えてみれば当然の作業だが、今までは行われていなかった。図2に示すように、その差は歴然としている。他の論文のデータは、変動の幅が小さい。そのために、20世紀の気温上昇が相対的に大きくなってしまう。

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図2. 図1のデータ(黒い線と、誤差範囲を示す灰色線)を、比較的最近の他の論文のデータ(赤や青の線)と比較したもの。

 クリスチャンセンらのデータは、以前簡単に紹介したOppoらの海底コアの解析データとかなり合う(http://yaplog.jp/itoh_kiminori/archive/238)。Oppoらは、海底コアの採取方法を改良して、過去2千年の海表面温度を連続的に得た。特に、支えを四脚備えたコア採取装置を使って、海底表面をできるだけ攪乱しないようにしている。これで、最近100年の海表面温度と、さらに昔の温度とを比べることができるようになった。

 彼らの結果を図1に示す。aは過去150年の温度。赤と緑の線は温度計測定による最高温度と最低温度で、海底コアからのデータ(青い線)は間にある。bは過去2千年の温度で、色の違いは採取されたコアの違いを示す。11世紀あたりの中世温暖期と17世紀の小氷期が良く見える。

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図3. 太平洋西部の海底コアから得られた、過去2千年の海表面温度。
  D. W. Oppo et al., Nature, Vol. 460 (27 Aug 2009) 1113-1116

 図1~3を比べると、クリスチャンセンらのデータと、オッポらのデータが良く対応していることが分かる。地球性温暖期と小氷期がはっきり出ていることに加え、気温変動の幅も、2℃程度で似ている。クリスチャンセンらが論文に書いているように、過去気温推定には未だ課題はあるものの、ホッケースティック曲線で大きく歪んだ過去気温解析の研究もも、ここに来て妥当な線に落ち着きつつあるように見える。

 残念ながら、現在準備中のIPCC第5報告書には、まだホッケースティック曲線の後遺症が見られるようだが、ここて゛引用したような過去気温研究グループの健闘には敬意を表したい。

 ここで紹介した最新データが示すのは、過去気温の変動は考えられていたよりもずっと大きく、20世紀に見られた気温上昇は異常なものとは言えない、ということだ。CO2削減が気温上昇抑制や気候変動抑制に与える影響は小さい。一刻も早い政策転換が必要である。
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 伊藤公紀氏がブログに書かれているとおり、二酸化炭素の排出量削減が、気温上昇抑制や気候変動抑制に与える影響は小さいのです。
 
 毎年、何兆円もの国家予算を使って、温暖化防止キャンペーンを環境省が行っていますが、国民の血税をどぶに捨てているのです。温暖化防止関連の独立行政法人に天下りした元官僚や御用学者に甘い汁を吸わせるだけの話です。
 
 こんな無駄なことを続けておいて、消費税率の引き上げなんてとんでもありません。
 
 国家予算を食い潰すしか能がない役人や政治家、御用学者を放置しておいて、国民に税金の負担増を求めるなんて許してはいけません。
 
 また、二酸化炭素の排出量削減のために原発の再稼動が必要だなんて言ってる放射脳人間も、自分のところで使用済み核燃料の処分を引き受けるつもりもないのに、国民を騙そうなんて人間のクズだと言わざるを得ません。
 
(by 心如)

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コメント 4

shira

 とにかく原発推進のために温暖化云々をネタに利用するやり方は汚いと思います。
by shira (2012-12-12 20:49) 

心如

shiraさん、コメントを頂きありがとうございます
 チェルノブイリの原発事故で、原発を廃止すべきだという意見がヨーロッパで広がった。これをなんとかしたいと考えたイギリスの政治家が、地球温暖化を口実に原発推進を図ったという噂もあります。発展途上国に、石油を使わせたくない勢力や、原発でひと儲けしようと考えた勢力が、地球温暖化神話を広めたのは事実です。
 日本の役人や御用学者と補助金目当ての企業が、温暖化防止を口実に国家予算を喰い物にし、20兆円以上が無駄に使われたのも事実のようです。
by 心如 (2012-12-13 11:18) 

袋田の住職

寒い冬ですよ。どこが温暖化なんだか・・・
by 袋田の住職 (2012-12-13 21:01) 

心如

袋田の住職さん、コメントを頂きありがとうございます
 年と場所によって、暖冬になったり厳冬になったりします。結局、暖かいときもあれば、寒いときもあるのです。人間が気候をコントロールしようなんて、思い上がりにもほどがあるのかも知れません。
by 心如 (2012-12-13 22:19) 

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