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石炭ガス化複合発電(IGCC)とは [エネルギー]

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IGCC(石炭ガス化複合発電)

 石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)システムは、石炭をガス化し、ガスタービンコンバインドサイクル発電(GTCC)と組み合わせることで、従来型石炭焚き火力に比べて発電効率が20%(相対値)と飛躍的に向上する次世代の火力発電システムです。

 三菱重工業のIGCCは、空気吹き二段噴流床ガス化炉、乾式燃料供給システムにガス精製設備、ガスタービンを組み合わせた石炭利用高効率発電プラントです。
 三菱IGCCは、発電用として送電端効率が高い空気吹きガス化技術を世界で初めて成功した純国産技術に基づくもので、簡素化、合理化を図り、経済性および信頼性を大幅に向上しています。
 従来の超臨界圧微粉炭火力に比べ効率が10~20%向上し、同率のCO2削減が可能となります。また、脱硫性能が微粉炭火力に優れるだけでなく、灰をスラグ化するため灰容積が約半分以下となり、灰捨て場面積が少なく、かつ非溶出性なので取り扱いが容易となるなど、環境面でも優れた性能を発揮します。

IGCC1.jpg 
三菱IGCCプラント 鳥瞰図
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三菱 IGCCシステム構成
IGCC2.jpg 
三菱 IGCCシステムの熱効率
IGCC3.jpg 
 石炭をガス化し、ガスタービンと蒸気タービンの複合サイクルで発電すれば、通常の石炭火力発電のように、石炭ボイラーで作った水蒸気だけで発電するよりも熱効率がよくなるのは容易に理解できると思います。
 火力発電において熱効率が良いということは、同じ量の電力を発電する場合に消費する燃料が少ないことを意味します。簡単に言えば燃費が良いのです。
 クルマでいえば、同じ1リットルのガソリンで、10キロメートルしか走らないクルマと15キロメートル走れるクルマで同じ距離を走れば、15キロメートル走れるクルマのほうが燃料代が安くて済むのと同じです。
 単純にボイラーで石炭を燃やして水蒸気を作り、水蒸気タービンを回して発電する場合に比べて、石炭のガス化炉とガスタービンエンジンという余分な部品が必要になります。プラントが複雑化するので、建設コストとメンテナンスに費用が余計にかかるのは当然ですが、熱効率を高め燃料を節約することで十分なメリットがあります。石炭をガス化することで、従来よりも低質な石炭が使えることも期待されます。
 どちらにしても、天然ガス複合サイクル発電や石炭ガス化複合サイクル発電のように、ガスタービンエンジンとその廃熱を使って水蒸気を作り水蒸気タービンを回す複合サイクル発電が今後の主流となると思います。
 クルマも、エンジンとモーターを組み合わせて燃費を向上したハイブリッド車が主流になりつつあり、月間登録台数の上位をハイブリッド車が占めているようです。
 天然ガス複合サイクル発電と石炭ガス化複合サイクル発電は、原発に比べて発電コストが三分の二から半分くらいで済みます。厄介な放射性廃棄物も出しません。耐用年数が短く、気象条件に左右される太陽光発電や風力発電に比べて安定した電力供給が可能です。
 天然ガスや石炭なら6~7円/kWhで発電できる電力を、太陽光で42円/kWhというべらぼうな価格で仕入れるなんて馬鹿げています。競争相手のいない電力会社には、もっと安い電力を供給する義務があるのではないかと思います。
(by 心如)

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