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エイズって?③ [健康]

『科学は錯覚である』(池田清彦 著)
第1章 エイズが世界にもたらすもの

から、さらに引用すると、

 一九八〇年代の初頭にアメリカの男性同性愛者に集中して発見されたエイズという新しい病は、わずか十年の間に、世界に拡がり、一部の地域では今や最も普通の病気になりつつある。たとえば、一般市民の生殖可能年齢の成人のキャリヤー率はルワンダではすでに二〇%を超え、マラウィ、ブルンディ、ウガンダなどの諸国でも十五%を超えている。キャンペラ(ウガンダ)、キガリ(ルワンダ)などの都市では妊婦の三〇%以上がキャリヤーであるとの報告もある。これらの報告と冒頭に記したCNNニュースなどを考慮すれば人類からエイズウイルスを排除することはもはや不可能であろう。

今から十年前に、すでに人類からエイズウイルスを排除するのは不可能だとの結論をだしている点に驚きと失望を禁じえない。
私自身は、結婚してからは、妻以外の女性と性行為をしたことがない。と、言っても単にもてないだけで、貞操がどうのというわけではない。
400mlの献血を何度かしたが、エイズのキャリヤーであるとの結果を通知されてもいないので、今のところ感染していないのだろう。
しかし、エイズという新しい病が発見された一九八一年から十五年経った一九九六年の時点で、この様な結論を生物学専攻の大学教授が、著書に記していることは、一般の人には知られていないと思う。

 一九八四年ぐらいまでは、一般の人々にとって、エイズは確かに他者の病であり得た。この時期までのキャリヤーの大半は、男性同性愛者や麻薬常習者などの特殊な集団に限られていたからである。しかし、今や全世界のキャリヤーの六〇~七〇%は異性間の性行為による感染者であると言われ、エイズは特殊な集団に固有の病ではなく、並の性病になったわけである。異性間の性行為は食べたり、徒党を組んだりするのと同じ位に基本的なヒトの行動であるにもかかわらず、その実態は実はよくわかっていない。誰もが自分の性行為については極めてよく知っているが、他人の性行動については実は何も知らない。マスとしてのヒトの性行動はチンパンジーやゴリラほどにもわかっていないのではないかと思われる。一九八八年のWHOの、キャリヤーの増加率の予想が大きくはずれたのは、WHOの統計学者が思っていた以上に、ヒトは異性間セックスをするせいなのかも知れない。

エイズは異性間の性行為で感染する。人は自分の性行為のことは分かっているが、他人の性行為のことはわかっていない。自分が特定の相手としか性行為をしなくても、その相手が、不特定多数と性行為をしているかどうかはわからない。巷に聞く、不倫や浮気など、枚挙に暇が無い。夫も妻も、浮気や不倫を一切しない夫婦がどのくらいいるのか。他人の性行為を知らないので、本当のところは誰にも分からないのが人間か…。
結局、誰かと性行為をしている以上、自分は大丈夫とは言えないってことになりますね。

科学は錯覚である

科学は錯覚である

  • 作者: 池田 清彦
  • 出版社/メーカー: 洋泉社
  • 発売日: 1995/12
  • メディア: 単行本


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心如

noricさん、まろんさん nice・訪問 有難うございます
by 心如 (2006-10-06 05:55) 

心如

まろんさん nice・訪問 有難うございます。
by 心如 (2006-12-18 19:04) 

心如

みねさん nice・訪問 有難うございます。
by 心如 (2006-12-18 19:04) 

心如

すぅ~ちんさん nice・訪問 有り難うございます
by 心如 (2007-09-12 06:40) 

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