科学とは? [雑感]
ネットの某所で、「ちゃんとした科学でエコしたい」という表記を見ました
似非科学によるエコ運動を批判する目的のトピ(≒掲示板)と思われます
駄目オヤジ、こういう表記をみたら、ヤバイです
そもそも科学とはなにか、きちんと把握してるのか?
科学のなんたるかも分からないのに、ちゃんとした科学が分かってたまるか…、と思います
当代屈指の碩学、宇宙物理学者のスティーヴン・ホーキングは、次の著書で、
- 作者: スティーヴン・ホーキング, レナード・ムロディナウ
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/09/30
- メディア: 単行本
〔引用開始〕
第3章 科学理論の本質
宇宙の本質を語り、また宇宙の始まりや終わりがあるのかどうかを議論するためには、科学理論の本質が何であるかを明確なものにしなければなりません。ここでは、理論というものは、宇宙もしくは宇宙の限られた一部に関するモデルに過ぎず、私たちが行う観測とそれらモデルの中身とを関連づけるいくつかの規則に過ぎないものであるという、簡潔な視点を取るつもりです。したがって理論は私たちの頭の中にこそあれ、他のいかなる現実性をも持っていないのです。(現実性というものが何を意味しているとしても)。
よくできた理論とは、二つの要件を満たすものを指します。まず第一に、広範囲にわたる観測結果をわずかしか任意的要素を含まないモデルに基づいて正確に描写できなければなりません。そして第二に、将来観測される結果について明確な予測をすることができるものでなければなりません。(中略)
どんな物理的理論でさえ、暫定的なものであり、ある意味で単なる仮説にすぎません。そして、決してそれを証明することはできないのです。つまり、たとえ何度となく実験の結果がある理論と合致したとしても、その次の実験でもその理論と矛盾する結果が出ないとは決して断言できないのです。他方では、理論的な予測と食い違う観測結果をたった一つでも見つけたら、その理論を論破できます。(以下略)
〔引用終了〕
>どんな物理的理論でさえ、暫定的なものであり、ある意味仮説にすぎません。そして、決してそれを証明することはできないのです。
と、いっています
これが科学の正体なのではないかと思います
同様の内容が、竹内 薫 氏の著作にもあります
- 作者: 竹内 薫
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/02/16
- メディア: 新書
この本では、「科学はすべて近似にすぎない」と書かれています。
つまり、普通の人が科学と信じているものは、
体系的であり、経験的に得られた知識(=仮説)にすぎないのです。
今までは正しいと皆が思っていたものが、新しい事実が観測された瞬間に間違いになるのです。
たとえ、100万回理論どおりの結果が観測されても、100万1回目に、理論に反する精密実験データが観測されたら、その理論は間違いになるのです
でも、科学者ですら、意外にこの反証可能性について知らなかったりするようです
科学とは、頭のなかの理論(=仮説)が、どれくらい頭の外、つまり物理世界と一致するかを問題にする学問なのです
>科学哲学者のファイヤアーベントは、さらに進んで、「科学は神話に近い」とまでいいきっています。つまり科学といえども人間の文化活動の一環であり、文化であるからには、時と場所によって大きく評価が変わるものだ、というのです。
科学とはなにかをきちんと認識できていれば、
「ちゃんとした科学」なんてことばを使うのは、躊躇うのが普通だろうと思う駄目オヤジです
蛇足ですが、次の本も、何度も読み返しましたが、
ホーキングや竹内 薫 氏の考え方となんら矛盾はみられません
文化系の私にはよく理解できない分野ですが、科学の話を聞くのは好きです。
主人は地学が専門ですが、主人の本棚にあるニュートンなどの雑誌を見るのも大好きです。
by nonkumi (2007-06-23 18:15)
既成概念にのみ頼るのでなく、自分の頭で考え、判断することが重要ですよね。
by kikuzou (2007-06-23 19:46)
そういえばロケットは未だにニュートン力学で飛んでいるんですよね。
昔誰だったか、作家の方がおっしゃってましたが・・・「科学が発達して色んな物が明らかになる。でも何が何だか分からないという事もけっこう素敵な事だ」
分からないから知りたくなる、で、分かりかけたところの微妙な感じがたまらないのかもしれませんね。意味不明なコメントでスミマセン。(^▽^;)
by まめぞう (2007-06-23 20:33)
なるほど〜科学的に などとはなかなか言えないですね、 99.9%は仮説って言うのが良くわかりました。
by fam (2007-06-23 20:45)
nomusanさん nice・コメント 有り難うございます
文科系と理科系の大きなちがいは
国語(言葉)で思考するか、数学(記号)で思考するのかと思います
でも、おおかたの人が勘違いするのは、科学で数学を使用することが多いが、数学=科学ではないということです
科学で使われる数学は、道具にすぎません
数学の数式は証明が可能ですが、科学の理論は証明ができないということが、なかなか理解されないようです
by 心如 (2007-06-23 22:01)
kikuzouさん nice・コメント 有り難うございます
なにが本質か考える力が必要なのですが
観測者の数だけ事実があるので、真理なんてそう簡単に分からないと思います
by 心如 (2007-06-23 22:05)
エルモさん nice・コメント 有り難うございます
ロケットは、ロケットエンジンの噴射を推進力にして飛んでいます
ニュートン力学や相対性理論がなくても、エンジンと燃料があれば飛ぶのです
何とか理論というのは、後からつける理屈であって、そんなものがなくても何もこまらない場合が殆んどです
自然科学、生物学がなくても、人類は180万年くらい存続してますよ
by 心如 (2007-06-23 22:09)
famさん nice・コメント 有り難うございます
そうなんです
科学自体が、仮説の集まりで証明できないものなのです
だから、科学的に証明されているなんていうのはすべて嘘になってしまいますからね><
by 心如 (2007-06-23 22:13)
文系の私ですがサイエンスにはとっても興味があります。
が、やっぱり、よくわからないことだらけです。
喫煙が有害かどうかという検証もどのような裏づけがあるのかいまいち不鮮明ですしね。
by Gamaoyabeeeen (2007-06-24 00:36)
科学的なエコってのも眉唾なのかもしれませんが、
「ウチの会社はこんなにエコ活動を頑張っています」
なんていう紙屑にしかならないチラシを大量に印刷してしまうような、
そういう『記号としてのエコ』よりは幾分かマシな気がしなくもないです。
話は変わりますが「正義」ってのも怪しいモンですよね。
戦前は鬼畜米英を倒すことこそ「正義」だった筈なんですし(爆)
なんだか「科学的に云々」って話と似てるな、なんて。。。
by かつぽん (2007-06-24 00:45)
いくら人間ががんばったって、所詮自然には勝てないと思います。
科学は人間が自分達が納得できるために作り出したものだし・・・
「ちゃんとした科学でエコ」ですか・・・
まずはゴミの分別くらいきちっとしましょうよってことですが。。。(汗)
by toco (2007-06-24 02:00)
科学の積み重ねで発展したものはやはり科学の力で自然に戻すべきなのでしょうか。
なかなかその分野の勉強に手が出ないですね。
しかし会社はエコ事業をやってます。
by 響 (2007-06-24 04:17)
おはようございます。
科学といっても万事全てを解明することはいまだ出来ないですよね。
今の世の中は昔と比べて良くなったのでしょうか?
by ガンバルおやじ (2007-06-24 06:41)
こんにちは、ハルママです。ハルママは日々活字離れしていて、読書すらしていません…。たまにはゆっくり本でも読んで…とも思うのですが…。
by ishikawa (2007-06-24 08:23)
何が正しくて、何が間違いなのか・・・この世のすべてのものが、科学と同じく二者択一ですものね。ん~むずかしい・・・
by gottu329 (2007-06-24 09:07)
あ、すみません。表現に誤解があったようで・・・大変失礼いたしました ^^;
推進力の事ではなく、地球の重力圏を抜け出す際にニュートン力学を用いるという事、そしてそれは19世紀の理論である、という事、我々人類はいつになったら宇宙空間の隅々まで行けるようになるのか、などという事をぼんやりと考えていたのでございます・・・σ(^_^;)
by まめぞう (2007-06-24 09:14)
科学って、自分を納得させるための道筋を箱庭の中で作っているだけですからねぇ・・・
by いなけん (2007-06-24 09:18)
がま親分さん nice・コメント 有り難うございます
喫煙者と非喫煙者を比較すると、喫煙者は平均3~4年ほど寿命が短いという、厚生労働省のデータがあるようです
そう、あの年金データすらまとも管理できない、社保庁を抱えたお役所のデータです
どこまで信頼してよいのか??、はなはだ疑問ですね…
by 心如 (2007-06-24 13:06)
かつぽんさん nice・コメント 有り難うございます
科学自体が眉唾なのですから、科学的なエコなんて言ってもなぁ・・・
ましてや、エコを自慢するチラシを大量に印刷するなんて…
正義と科学は、ほぼ同様な価値観でなりたちますので似ています
どちらも、よりもっともらしい物に価値があるのです
昨日まで皆が正しいと信じていたことが、一夜にしてひっくり返る可能性があるところもそっくりですしね
by 心如 (2007-06-24 13:33)
tokoさん nice・コメント 有り難うございます
>科学は人間が自分達が納得できるために作り出したもの
まったくそのとおりですね
科学の前は、神や宗教上の教えを信じていましたね
新しい説を唱えて、宗教裁判で死刑になった人もいたようです
いまは、科学という価値観が大勢を占めていますが、人類180万年の歴史のなかで科学の果たした役割なんて、大したものではないのかも知れません
科学万能なんておごった考えが、今の環境破壊や地球温暖化を招いています
そんなことも分かってないから、「ちゃんとした科学によるエコ」などという表記になるのだろうと思いますが…
by 心如 (2007-06-24 13:53)
響さん nice・コメント 有り難うございます
科学教という信仰によって
より効率よく、より大量に、資源やエネルギーを消費してきた結果、
地球環境に、人間の生存に適さない変化を招いた
自業自得っていうことだと思います
じたばたすれば、かえって被害が大きくなりそうです
「必要のないことを一切しない」というのが、一番簡単な解決法かも知れません
by 心如 (2007-06-24 13:59)
ガンバルおやじさん nice・コメント 有り難うございます
じつは、科学はなにも分かってないのかもしれません
三歳の子供でも、紙飛行機を飛ばせますが、
飛行機はなぜ飛ぶのか?
最先端の科学(航空力学)でも完全には説明できない難問だそうです
そもそも、重力がなぜあるのか説明できたという話も聞いたことがありません
生命についても解明できていないし…
科学なんて、自分の見聞きしたことを、さももっともらしく、科学理論と言ってるだけのものなんです
by 心如 (2007-06-24 14:07)
ishikawaさん nice・コメント 有り難うございます
ハルママさん
お子さんたちの健康に勝るものはありません
どんな高等な理論も、子供の笑顔にくらべたらゴミのようなものです
by 心如 (2007-06-24 14:11)
hgchさん nice・コメント 有り難うございます
相対性理論を持ち出すまでもなく、絶対的に正しいものは存在しません
なにが正しいかは、その人の価値観の問題です
観測者の数だけ、事実が存在することを認識しないと…
by 心如 (2007-06-24 14:21)
エルモさん コメント 有り難うございます
エルモさんのお考えは一般的な認識であり、表現に誤解はないと思います
地球の重力圏を脱出するのに必要な速度を、ニュートン力学で計算可能であるというのは、間違っていないと思います
偏屈者の駄目オヤジは、ニュートン力学の有無とは関係なく、ロケットエンジンと燃料があればロケットは飛ぶといっているので、一般の方の認識とは違います
私の言葉足らずで、不快な思いをされたようです
誠に申し訳ありませんでした
by 心如 (2007-06-24 18:15)
いなけんさん コメント 有り難うございます
「科学って、自分を納得させるための道筋を箱庭の中で作っているだけ」
ここまで簡潔に的を射た表現は初めてみました。
さすがいなけんさん、至言ですね。
by 心如 (2007-06-24 18:27)
私のブログにお出でいただいた小父爺さん、どんな方?とお伺いしたら、
なんと、私の最も苦手とする理数系のお話。
私は文科系と言うより、理数駄目系人間です
一生懸命読んでみましたが、やっぱり理解の範囲を超えてる~
<100万回理論どおりの結果が観測されても、100万1回目に、理論に反する精密実験データが観測されたら、その理論は間違い>になる・・・科学って、何とスリリングなんでしょう。
by konkon (2007-06-24 21:16)
konkonさん nice・コメント 有り難うございます
理科系の話は苦手ですか、つまりまともな普通の人ということですから
なんのご心配もありませんね^^
この記事で問題にしているのは、科学理論なんて後付の屁理屈にすぎない
科学を信じるのは、神様を信じるのと大差がないのだよということです
何度読んでもその辺りが伝わらないのは、私の文章力の無さが原因です
これに懲りずに、今後ともよろしくお願いいたします
by 心如 (2007-06-24 21:53)
「科学」とくくられる概念が多様すぎて、混乱し勝ちですから、「これが科学だ」ということは言えないのでしょう。しかし、すべてが仮説ということは、誤解を招き易いので、ホーキング博士くらいにならないと言っては恥ずかしいことと私は思います。
また、定義にもよりますが、宗教と科学を一緒に考えるのは乱暴に思います。
何れにしろ、いろいろな考えがあることを学べることはありがたいことでした。
by 春分 (2007-06-30 13:14)
春分さん nice・コメント 有り難うございます
人によって捉え方が違うのは仕方がないと思います
そもそも科学理論は、自然界には存在しません…
すべて、人間が、何かの事象を観測して、頭の中で考えたことですから
ただ、同じ事を、ホーキング博士なら言ってよくて、一般の人がいうと恥ずかしいというのは如何なものかと思います
竹内 薫 氏の著書にもありますが、日本は科学哲学や科学史の教育が不足している。科学者ですら、科学の何たるかを理解していない場合があるといってます。
サイエンス=西洋科学を輸入するときに、科学史や科学哲学を省いてしまったことが原因とのことです。
学校が教えないので、自分で勉強しないといけません。
大変面倒だとは思いますが、偉い学者だけが本当のことを知っていれば良いという考えは困りものですが・・・
by 心如 (2007-07-01 07:20)
軽率に科学を語る愚を戒めたいと思いまして。
行動することを前提としない批判では何でも言えますが建設的ではない。
自分の行動して作りえたこと、学んだことの頼り無さを省みると、自分は
「科学とは」ということは言えないと思っています。
また「科学的じゃない」「正義じゃない」と批判する人は、自分を大きく見せたくて
その名を語る者がとても多い。そうならないように、身の丈に応じたことを、自分は
語りたいと思う次第です。「まず言を行いて次にこれに従う」でありたい。
そのようなわけで、ホーキング博士ならぬ私は言葉を慎もうと思っています。
by 春分 (2007-08-26 22:37)
春分さん、再度、コメントを頂き有り難うございます
軽率に科学を語る愚とはなんでしょうか? 世の中には、自分では何を意味するのか理解していないのに、何処かの自称専門家が言った事の受け売りをする愚か者が多いのは事実だと思いますが…
by 心如 (2011-12-09 21:55)