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脅し…? [雑感]


 死刑廃止議論の中で、冤罪の可能性があるので、死刑を廃止すべきだという主張をよくみかけます
 「死刑があると、貴方も冤罪でいつ死刑になるかも知れませんが、それでもよいのか」といわんばかりです
 ところが、戦後の日本で、冤罪(無実の罪)で死刑が執行された例は確認できません

 地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所の三審制度が設けられており、控訴・上告が認められていること。最高裁で最終的に死刑判決が確定しても、再審請求が可能で、事実認定の不当を是正するための救済手続きが認められています。また、死刑判決が出ても、再審請求中であれば死刑は執行されないようです。死刑判決の後で、再審請求で無罪になった例はあるが、死刑が確定した後で、真犯人が判明して無罪が確定した例はないようです

 つまり、今の日本で、冤罪(無実の罪)で死刑になった人の存在は確認されていないのです

 「冤罪の可能性があるから、死刑は廃止すべきだ」というのは自由ですが、冤罪で死刑になった例は、実際には確認できないというのも事実なのです

 冤罪を理由に、死刑だけを問題にして、死刑は取り返しがつかないから廃止すべきというのは、「為にする議論」だからではないのか…

 冤罪を人権上の問題にするのであれば、死刑の廃止よりも先に、警察や検察の取調べで自白の強要等の不公正な捜査をどうやって防ぐかを議論した方がよっぽど有益だろうと思います

 冤罪そのものを防止しようと言わないで、刑罰である死刑だけ廃止を唱えるのは、冤罪の存在を容認し、改善を放棄しています
 ありもしない冤罪による死刑を許せない。死刑を廃止しろといっておいて、実在する冤罪による懲役や禁固を問題にしないなんて、真の人権擁護とは言えないと思います

 そもそも、死刑を国家による殺人というなら、禁固は監禁で、懲役は監禁&強制労働になるし、罰金は強奪になります。そんなことを言い出せば、税金だってヤ○ザのショバ代と同じだし、宝くじや公営賭博も立派な違法行為となってしまいます

 「人権擁護」を大義名分にしている意見や主張は、一見もっともらしく聞こえます

 しかし、内容をよく吟味しないと、おかしな場合もあると思う駄目オヤジですが…

 

〔おまけ〕 萩城址の堀

 萩城址は、石垣と堀しか残っていません
 今一つマイナーな感じですが…

 


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コメント 20

rio

死刑後に冤罪と判断されたケースはあります。

死刑を巡っては、法学、あるいは社会学的な論点がほぼ出揃っています。そのために、議論が始まると堂々巡りになるか、生命倫理的な話に向かってしまうのが現状です。そのあたりの論点がウィキペディアに簡潔にまとまっています。「死刑存廃問題」で検索すると出てきますので、一読をお勧めします。
by rio (2007-10-23 07:50)
by rio (2007-10-23 07:51) 

yumi

萩城址のお堀、確かに物足りないですね。
でも、お城ではなく、お城の址の静かさを感じるには十分素敵な場所ですよね。
by yumi (2007-10-23 11:00) 

心如

rioさん コメント有り難うございます

 一件だけ、主犯と従犯を取り違えたという事例があるのは、他の所でも検索できていますが、それを冤罪(無実の罪)というのは、意見が分かれると思います。
 私の調べた範囲では、死刑執行後に、冤罪(無実の罪)が判明した事例はありませんでした。他に、死刑執行後に、明らかな冤罪(=全く関わりのない者)で死刑執行した事例があれば知りたいと思います。
 とうぜん、冤罪で死刑執行なんてことは、あってはいけないことだと考えます
 しかし、あたかも冤罪による死刑執行が、今の日本に沢山あるような印象操作も、死刑廃止派の方に対する不信を誘発すると思います
by 心如 (2007-10-23 11:37) 

ハイマン

冤罪 死刑 結構いろいろ本を読んでいますが
読む本によって、結構言っている事が違うので
かなり難しい問題
by ハイマン (2007-10-23 13:22) 

心如

yumiさん nice・コメント 有り難うございます
 そうですね
 石垣と堀しかないので、かえっていろんなことをゆっくりと考えることができるのかも知れません
 素敵なコメントを有り難うございます
by 心如 (2007-10-23 22:00) 

心如

ハイマンさん nice・コメント 有り難うございます
 正解はないのだと思います
 ただ、自分の意見を通すために、都合のいい事実だけを並べ、不都合な事実は隠すような議論は、不信感を招きますのでよくないと思いますが…
by 心如 (2007-10-23 22:03) 

rio

主犯と間違えられて死刑にされた人間がいるという事実は、死刑制度の根幹にかかわっていると思います。

執行後に「無実」が証明されたことがないのは当然です。ご存知のとおり、死刑はほぼすべてが秘密主義で貫かれています。死刑囚は原則、親族以外との接触しかできません。執行後も、執行したかどうかすら情報開示されません。そうした状況下で、すでに執行された死刑をあえて司直が検証することはありえません。

一部弁護士、ジャーナリスト、関係者、遺族らの手で冤罪の疑いがあるとされているケースはあります。また、刑務官として死刑にかかわった方も著書の中で「冤罪の死刑囚はいると思う」と発言されています。

しかし、その正誤を判断するのは、死刑を執行する(した)司直自身です。「無実の罪で死刑になった囚人はいない」という論法の根拠は、「死刑を執行した側がそう主張しているから」に過ぎません。死刑存続の理由とはなりえないと思います。

冤罪による死刑執行が「たくさん」か少ないか、数の問題が重要なのでありません。冤罪の死刑囚がいるか、いないか、執行された人がいるか、いないかが重要なのです。おっしゃっておられる通り、あってはならないことだからです。

吉田事件、免田事件など冤罪だったと認定された死刑囚が複数いることはすでに明らかです。主犯と間違えられて死刑になった人物もいます。なのに「冤罪で死刑執行された人間だけはいない」と考えるの不自然ではないでしょうか
by rio (2007-10-23 23:14) 

あら!みてたのね

こんばんは・・・
難しい問題ですが、敢えていわせていただければ・・・冤罪は確認されていないとのことですが、絶対になかったという保証はないと思います。現に死刑に値する程の罪ではありませんが、冤罪が先日も報道されたし、過去にもありました・・・。念のため、わたしは死刑廃止論者ではありません。

萩城跡・・・わたしも訪れましたが、何故か好きな処です♪♪
by あら!みてたのね (2007-10-24 00:35) 

いなけん

死刑を廃止を唱える人は、自分の子供が殺されたときも、いいよいいよって思うのかなぁ?
私は神様にはなれないなぁ。
by いなけん (2007-10-24 01:02) 

ガンバルおやじ

確かに間違いがないとは言い切れないので、冤罪は難しいところですね。
しかしながら死刑を廃止することは、何人もの人を殺してもいつかは社会復帰できるということ、犯罪の効果的な抑止力がないことを考えると廃止には賛成できませんね。
by ガンバルおやじ (2007-10-24 04:53) 

心如

rioさん コメント 有り難うございます

 主犯と他の従犯が口裏を合わせて、従犯を主犯に仕立て上げたという事件が、1946年(昭和21年)に一件あるというのは事実だろうと思われます

 これ以外に、具体的な事例があれば知りたいと思いますが、調べた範囲では、そのような具体的な事例は出てこないのです

 なんでも、現状をいったん否定し、ありのままの実態を見つめ直すところから進歩がありますから、疑いをもつこと自体は良いことだろうと思います。
 しかし、一部の人が疑っている=冤罪で死刑になった人が沢山いる。と、言い換えるのは問題があると思います。

 大切な人命に関することを、そんな簡単に誇張する姿勢に、疑問を感じる人間もいるということは、ご理解いただけたらと思います。
by 心如 (2007-10-24 06:32) 

心如

あら!みてたのねさん nice・コメント 有り難うございます

 冤罪による死刑執行が絶対にないとはいっておりません
 あくまで、戦後の日本で、冤罪(無実の罪)によって死刑が執行されたと確認された事例がない
 確認された事例がないから、疑ってはいけないとはなりません
 しかし、疑いがあるから、冤罪で死刑になった人が沢山いるにもならない
 そういう事実に基づかない、人を脅すような物言いは、良くないと思うということなのです
 冤罪による死刑執行が沢山あると主張するには、最低でも2~3件は具体的な事例を示すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか
by 心如 (2007-10-24 07:01) 

心如

いなけんさん コメント 有り難うございます

 自分の子供が、誰かに殺された場合に、死んでしまったものは仕方がない
 犯人を許して下さいといえるなら、真の人権擁護だろうと思います
 私には、逆立ちしても無理ですが…
by 心如 (2007-10-24 07:06) 

心如

ガンバルおやじさん nice・コメント 有り難うございます

 死刑廃止を人権擁護の立場から主張するのは、良いことだろうと思います
 しかし、確認もとれないのに、疑いだけで、冤罪による死刑執行が沢山あると言いふらすのは良くないと思います
 現行の日本では、冤罪の疑いのある死刑は執行していないはずです
 だからこそ、真犯人がでてこなくても、再審請求で無罪が確定した事例があるのです
 こと死刑に関しては、疑わしきは執行せずで運用しないと、執行後に無罪と判明したら、間違いでは許されないのは真面目に考えたら分かると思います
by 心如 (2007-10-24 07:14) 

 死刑論議は今日はおいておきまして、
 説得にはやるあまり、論拠をオオゲサに示してしまう誤りは、誰しもやってしまうことです。でも、小父蔵さんの言うように、結局は逆効果なんですよね。
 やっぱり、ものごと正直というか誠実であった方が、結局説得力も増すんですよねえ。
by (2007-10-24 19:05) 

心如

shiraさん nice・コメント 有り難うございます

 極論の方が分かりやすい、説明が要らないという面がありますので、大げさに言い立てる場合も多いのだろうと思います

 誰だって、自分が冤罪で死刑になっても良いのかと問われたら、嫌だと答えます

 しかし、それなら、死刑でなければ冤罪で刑務所に入るのは許せるかと聞かれたら、それも嫌だというはずです

 なのに、冤罪の可能性があるので死刑だけを廃止すべきという方向に誘導するのは姑息だろうと思います

 こういうのを「為にする議論」というのではないか
 初めに死刑廃止という目標を定めておいて、冤罪をその材料にしているのが見え透いています
 それでは逆効果になる可能性があるということを理解し、命に関わる問題ですから、shiraさんの仰るとおり、誠実な議論をするほうが説得力があると思います
by 心如 (2007-10-24 19:46) 

月と、

萩城跡、もう何年もよってないなぁ・・・(汗)萩は行くのになぁ・・・・。
by 月と、 (2007-10-24 21:27) 

心如

月と、さん nice・コメント 有り難うございます
 入城料がいるので、そう再々というわけにはいきませんね^^
by 心如 (2007-10-24 23:36) 

大将

遠く海の向こうの国でものすごい山火事でニュースに出ていますが
消防士が『危険なので立ち入り禁止です!この言葉を無視する人間は逮捕もあります!』
そうきっぱりと言う姿を見て国民性を感じました
またドイツでも犯罪被害者には国が全面的に援助するとも聞きました
幼稚園国日本!どこへ行くのだろう??
by 大将 (2007-10-25 17:28) 

心如

大将さん nice・コメント 有り難うございます

 イギリス、ドイツ、フランス等の国では、人質をとって立て篭もれば、犯人は射殺されて当然のような風潮があるように感じます
 そのような国が、死刑を廃止したからといって、間に受けてどうするのかって思いますが…
by 心如 (2007-10-26 06:31) 

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