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二倍…? [気候変動]

 
 「地球大気の温室効果は33℃」 これは、良く聞く仮説です

 その根拠はというと、太陽放射の数値から逆算して求めているのが実際のようです

 太陽放射の値を342W/㎡としている地球の熱収支の図をよくみます

 これは、球の断面積は、円周率×半径の二乗に対し、球の表面積は4×円周率×半径の二乗になることから、地球の表面積と断面積の比が4倍になるので、太陽放射1368W/㎡を4で除した値の342W/㎡を、太陽放射の平均値としているようです

 この平均342W/㎡のうち、30%は大気や雲、地表で反射されるという説が有力なようです

 すると、地表に吸収されるのは、342×0.7=239.4W/㎡となります

 地球が熱平衡の状態にあれば、地表に吸収される熱と同量の熱が地表から出て行くことになります

 その数値は、当然、239.4W/㎡となるので

 この数値を用いて、シュテファンボルツマンの法則に従って地表の平均温度を逆算すると、

 (239.4 ÷ 5.67×10^-8)^-4 ≒ 255[K] という計算になります

 よって、大気の温室効果がない場合の地表の平均気温は、255 - 273 = -18[℃] とするのです

 実際に観測された地表の平均気温は15[℃]なので、-18[℃]と15[℃]の差である33[℃]が、大気の温室効果である。

 というのが一般的に言われているのです


 しかし、この計算方法をよく考えると、若干おかしなところがあるのです

 大気の温室効果の70~90%は水蒸気であるという説が正しいとすると、温室効果がないのであれば、大気中の水蒸気も無い=雲が無い場合を想定していることになるので、その場合の熱平衡状態の熱放射は、342 × 0.7 = 239.4W/㎡とはならないと思います

 雲(水蒸気)による反射が20%ぐらいあったのが無くなると仮定して計算しなおすと、
 342 × 0.9 = 307.8W/㎡となります

 これを、シュテファンボルツマンの法則に当てはめると、
 (307.8 ÷ 5.67×10^-8)^-4 ≒ 271.4[K]

 温室効果がない(≒雲もない)場合の地表平均温度は、
 271.4 - 273 ≒ -1.6[℃]となるのが妥当かも知れません

 すると、温室効果は-1.6[℃]と15[℃]の差で、16.6[℃]になるのではないかと思われます


 これはあくまで、温室効果がない場合の地表平均気温を計算するなら、水蒸気である雲による反射も無いと仮定すべきだという理屈なのですが…

 つまり、雲による反射を考慮に入れない計算では、本当に正しいのかどうかが疑わしいのです


 いま、巷でいわれている温室効果の値は、実際の温室効果より二倍の値になっている可能性があるのではないか?

 なんてことを、今日もぼやいている駄目オヤジなのですが…


 


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コメント 13

めぐたん

おはようございます(^-^)
ご訪問ありがとうございました。
毎日暑いですね~
by めぐたん (2008-08-07 08:20) 

小父蔵

めぐたんさん  コメント 有り難うございます。

 朝・晩は、いくらか過ごしやすくなりつつありますが、
 日中は、ぶち暑いですね^^
by 小父蔵 (2008-08-07 18:31) 

大将

ん~~こんがらがった
何度か読みなおさないと大将の理解力の無さに加え
この暑さで脳が働かないですぅ
by 大将 (2008-08-07 20:33) 

小父蔵

大将さん  コメント 有り難うございます。

 熱平衡状態にあれば、温度は上がりも下がりもしません
 物体が、ある一定の温度で安定した場合、入る熱量と出る熱量は等しくなるのです
 だから、温室効果がない場合、入る熱量と地表から放射される熱量が等しいとしたら平均気温はー18℃という仮説が一般的に言われているのです
 ところが、地球の大気が無い場合は、地表で10%程度の反射があると仮定すると、342W/㎡ × 0.9 = 307.8W/㎡の入力と出力で、熱平衡になると考えるのが妥当です
 この場合の地表の平均温度は、-1.6℃程度になります

 つまり、温室効果がない=大気が無い場合と、考えるべきなのです
 にも係わらず、太陽放射を30%反射するというのは、大気や雲の反射があるときの反射率をそのまま使っている
 これは、温室効果が無い場合の反射率とは言えないという事実を指摘した記事なのですが…
by 小父蔵 (2008-08-07 21:09) 

ピカチュウ

ご訪問ありがとうございました
阿蘇草千里からの日の出すばらしいですね
数字は嘘をつかない お金は裏切らない あれなんだっけ?
できれば、娘の家庭教師お願いします(*^_^*)
by ピカチュウ (2008-08-07 23:22) 

大将

少しだけ理解できたようです、
ありがとうございます
by 大将 (2008-08-08 00:05) 

ミモザ

お久し振りでした。なかなか難しいお話です。
昨日は「永久凍土」が融けているというテレビを見ました。
目に見えて地球が変わってきていて怖いと思っています。
by ミモザ (2008-08-08 06:45) 

小父蔵

ピカチュウさん  コメント 有り難うございます

 次男と一緒に、阿蘇山にドライブにいった際に撮影しました
 思い出の一枚です^^

 数字は嘘をつかない… しかし、嘘の数字は世の中に沢山ありますから、
 もっともらしい話や、うまい話は注意した方が良いようです

 勉強よりも大切なものが、人生には沢山あると思います
 娘さんとの会話を大切になさって下さいませ^^
by 小父蔵 (2008-08-08 14:23) 

小父蔵

大将さん  コメント 有り難うございます。

 世の中の誰も言わないことを、敢えて指摘しておりますので、
 解り難いと思います
 まあ、そんな考え方もあるのか? ぐらいに思って下されば幸いです^^
by 小父蔵 (2008-08-08 14:25) 

小父蔵

ミモザさん  コメント 有り難うございます

 そうですね
 地球は変化している。これは事実のようです。
 でも、過去にも同じような変化はあったのではないか?
 本当に、大騒ぎが必要な変化なのか?
 その辺がどうも疑問に感じています。
 永久凍土というけれど、本当は永久なんていえるものではないのかも知れませんが…
by 小父蔵 (2008-08-08 14:31) 

廉宅

こんばんは。wikipediaやIPCCが用いている地球のエネルギー収支の図は、最新の学説では各値が大幅に修正されています。
大気放射研究の進展
http://221.243.18.148/tenki/pdf/54_04/p011_014.pdf
地球のエネルギー収支-wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:NASA_earth_energy_budget_ja.gif

反射率は30%と変わっていませんが、地表へ到達する太陽放射は42%(wikiは51%)で、残りの28%(wikiでは18%:雲の吸収を含む)は大気へ吸収されるようです。

温室効果ガス理論によれば、大気は太陽放射に対して透明であるという大前提があります。しかし、実際には太陽放射の40%が地表を暖め、約30%は大気を直接、暖めているのです。つまり、太陽は地表と大気をほぼ同時に、同じような程度でもって温めているのです。

基本的に温度は熱の収支だけで決定することはできません。その物体の比熱の値が重要となります。比熱が小さければ、温度変化は大きくなります。逆に、比熱が大きければ、温度変化は小さくなります。たとえば、水は比熱の大きい物質の代表ですね。地球に生命が住めるのも、あらゆる変化を穏やかに保ってくれている水のおかげだと思います。水の惑星がもつエントロピーの排泄機構こそ、人類が守らなければならないものですね。
by 廉宅 (2008-08-09 22:08) 

廉宅

失礼。少し訂正します。
(wikiでは18%:雲の吸収を含む)
⇒(wikiでは19%:雲の吸収を含む)
by 廉宅 (2008-08-09 22:12) 

小父蔵

廉宅さん  コメント 有難うございます

 たしかに、最新の熱収支では、アルベドが30%、大気への吸収28%、地表の吸収42%としているのかも知れません
 しかし、それは大気や水蒸気、雲が存在する場合の熱収支であって、その値をそのまま用いて、大気の温室効果を計算するのは、おかしくないのか?
 という疑問を提起したのが、この記事の主旨です
 温室効果がない場合の地表の平均温度を計算するのに、なんで雲や大気の反射を残すのか(アルベド=30%のまま)が、おかしいという主張です
 こんな突飛なことを言っているのは、世界中で駄目オヤジただひとりかも知れませんが、よく落ち着いて考えると、雲の反射が地球の熱収支に及ぼす影響は、二酸化炭素の濃度が100ppmぐらい増減した場合とは比べ物にならないことは、分かりそうなものなのですが…
by 小父蔵 (2008-08-10 17:54) 

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