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ミスコンダクトとは…? [社会]

□□□ ミスコンダクトの事例(1982~2006年) □□□

 1983年12月 広島大学医学部事件(人工心臓の動物実験でのデータを、世界記録を達成したかのように見せかけた)

 1988年3月 大阪大学産業科学研究所事件(応用物理学会で、助手が2年前のレーザーによるダイヤモンド合成報告を誤りと訂正。教授の圧力による拙速発表と異例の告白をした)

 1993年6月 東京大学医科学研究所事件(付属病院人工臓器移植科の教授が進行膵臓がんの治療成績を改ざんして発表した、と外科医局員が抗議。教授は単純な間違い、と改ざんを否定した)

 1993年6月 同(移植科の脳死肝移植手術の申請件数は水増し、と外科が疑問視)

 2000年10月 神奈川歯科大学事件(薬理学の教授が、ラットを使った心臓の血流などの研究を捏造。教授は過ちを認めた)

 2000年11月 旧石器発掘捏造事件(東北旧石器文化研究所の藤村新一氏による旧石器発掘が、すべて自作自演の捏造と判明。神の手を持つと称されたアマチュア考古学者の正体がばれた)

 2001年5月 第一製薬研究所事件(米誌『ネイチャー・メディシン』に掲載されたアポトーシスとがんとの関係についての研究に疑惑が生じ、論文は撤回された。研究者3人は退職した)

 2003年11月 昭和大学医学部事件(脳神経外科の教授が論文5編で架空症例などの捏造を行った。講師時代の研究で、昇任や教授選考などのあせりが動機だった)

 2004年12月 理化学研究所事件(研究員2人がアメリカの専門誌に発表した血小板に関する論文のデータを改ざん。論文は取り下げられ、2人は辞職)

 2005年5月 大阪大学大学院医学系研究科事件(研究科の研究チームがアメリカの専門誌に発表した肥満に関係する酵素の論文が捏造とされ、教授2人が停職処分を受けた。捏造を行ったとされた筆頭著者の学生は教授を訴えている)

 2005年9月 東京大学大学院工学研究科事件(RNA研究の第一人者だった教授がイギリスの専門誌に発表した論文に疑惑が浮上、大学側は再実験を要請したが論文は裏付けられなかった。実験を行った助手は捏造を否定しているが、証拠となる実験記録は残されていない)

 2005年12月 京都大学大学院農学研究科事件(教授が発表した論文で女性の助手の貢献を記載しなかった。教授は停職3ヶ月の懲戒処分、論文は取り消しに)

 2006年4月 神戸大学工学部事件(教授が、ダイヤモンドを使った工具の発明に関する特許を出願したが、行っていない実験を捏造していた。出願は取り下げられた)

 2006年7月 山形大学医学部事件(教授が、がんに関する治療データの捏造を筆頭著者の女性の助手に指示した)

 2006年9月 大阪大学大学院生命機能研究科事件(研究科の研究チームの論文に不正の疑いが浮上、論文は取り下げられた。データ改ざんを単独で行った教授は解雇処分。不正を告発した助手が服毒自殺)


(科学研究における不正行為を、「ミスコンダクト」と呼ぶとのことです)

 以上の事例をみれば、一流大学にもミスコンダクトは沢山あることがわかります


 科学者は、なぜミスコンダクトを犯すのでしょうか

 捏造・改ざん・盗用といった犯罪まがいの背信的な行為を、なぜするのか?


 科学者といっても、ひとつの職業にすぎない

 警察官が罪を犯し、裁判官が法を破るのと同じことなのでしょう

 倫理的にみれば、科学者も特別な人間ではないということです

 そう考えれば、ミスコンダクトはごく人間的な行為にすぎないのかもしれません


 そもそも、論文審査の主目的はミスコンダクトの発見ではないそうです

 ミスコンダクトはないとして、論文内容を評価するのです

 科学者がおなじ科学者の論文を審査するシステム自体に、ミスコンダクトを防止する有効性が期待できるのか? という疑問もあってしかるべきかも知れません


 きちんとした科学的なプロセスなるものが確立されている。なんて考えは、実は幻想かもしれません


 そんなことを、今日もぼやいている駄目オヤジなのですが。。。。




【以前に紹介した本ですが、再紹介です】

背信の科学者たち (ブル-バックス)

背信の科学者たち (ブル-バックス)

  • 作者: W. ブロード
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/11/21
  • メディア: 新書

nice!(10)  コメント(8) 
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コメント 8

enosan

へー、そんなもんなの。
by enosan (2009-01-19 10:35) 

小父蔵

enosanさん  コメント 有り難うございます
 科学者のほうが、名誉欲やプライドは高いと思います。また、競争意識も人一倍強い場合が多いようです。もちろん、金銭欲だってあるのが普通です。
 ミスコンダクトの動機は潜在的に誰にもあるのですが、もしばれたら恥ずかしい。学界から追放されたら困る。といった自己抑制もあるはずです。
 しかし、些細なデータクッキング(データの見栄えをよくする)といった行為を繰り返すうちに、少々はばれないということで、改ざんや捏造に発展するケースが多いとのことです。
 所詮、科学者も人間であって、欲望から解放されることは容易ではないということのようです。
by 小父蔵 (2009-01-19 11:18) 

侘び助

名誉の為と思いますが、世に知れて失うものの大きさを
考えないのでしょうか?
by 侘び助 (2009-01-19 16:33) 

小父蔵

侘び助さん  コメント 有り難うございます
 ばれなきゃいいんだって感じでしょうか? 良い例ではありませんが、オリンピック選手のドーピング問題と似ていると感じます。
by 小父蔵 (2009-01-19 17:16) 

shira

 昨今の教育改革とやらで、現在の大学はやたらと国への報告文書が増えて研究どころじゃないと大学人の皆様は悲鳴を上げてます。研究にしても、昔と違って、国に気に入ってもらえるようなモノじゃないと予算がもらえない。
 という大学人の話がミスコンダクトじゃないとすれば(たぶんないでしょう)、現状は大学人にミスコンダクトのインセンティブ(動機)を与えやすいと言えます。多忙な上にカネが絡むとなれば、誰だって悪魔の囁きに乗りやすくなります。
by shira (2009-01-22 21:08) 

小父蔵

shiraさん  コメント 有り難うございます
 そうですか
 いったい何処が、教育改革なのでしょうか? と、言いたくなりますね^^;
 官僚国家の悪い面が蓄積されているのが、今の日本ではないかと思います
by 小父蔵 (2009-01-24 08:00) 

すぅ〜ちん

人は悪知恵を考える、動物…?!
(思考できることを逆手にとって??)
by すぅ〜ちん (2009-01-25 11:02) 

小父蔵

すぅ~ちんさん  コメント 有り難うございます
 ずっと真面目に頑張るのはしんどいけれど、ずっとサボるのは容易です
 たった一度の人生です。
 悔いの残らない生き方を選択出来れば良いのですが…
by 小父蔵 (2009-01-25 22:34) 

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