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地球温暖化を見つめ直す 不完全性の認識が必要 [気候変動]

5.11資料ページ  伊藤公紀 Kiminori itoh より
http://www.jser.gr.jp/activity/e-mail/2009.3/3gw5-11.pdf

〔環境新聞2008年4月23日〕地球温暖化を見つめ直す ⑦
地球温暖化を見つめ直す 7.jpg

不完全性の認識が必要 (京都大学名誉教授・元日本気象学会理事長 廣田 勇 氏 〈上〉)

【100年後の予測など検証不可能】
 まず前提として、環境という言葉には、二つの意味がある。客観的な周辺条件としての環境と、人間なり、ある生命体にとって都合の善しあしという、価値観を伴なった環境だ。この二つを混同せずきちんと区別して議論しないといけない。
 科学では、ある理論に基づく推測をして、それを検証するため観測で確かめることはよく行われている。そういう、役に立つということとは別次元での科学の分野での予測と、人の役に立つことが前提になる天気予報や、あるいはCO2など温室効果ガスの増加を織り込んだ数十年後、一〇〇年後の気候変動の予測とは、意味が違う。
 ここで、気候予測の正当性の検証が必要になってくる。天気予報は幸い、毎日検証されている。だからそれなりに信用もされ、精度も上がっている。

【計算結果の最大値だけを大きく報道】
 ところが、一〇〇年後の温度の予測などは、現在では検証が不可能だ。科学の場合には、検証ができないことの予測には科学的な意義はない。毎日の天気予報でさえ、せいぜい八〇%の的中率だ。
 現在、数値モデルを使った気候予測が盛んに行われているが、研究の歴史が浅いし、不完全な問題点が多々残されている。この不完全性の認識は絶対に必要だ。
 良心的な研究者はそれを承知しているが、そこから外部に出て来る情報に関しては、往々にしてその認識が抜け落ちている。対外的に発信される情報については、おのずと責任が伴なう。そういう自律性が必ずしも伴なっていない場合が多い。
 また報道のあり方にしても、気候予測の計算結果の最大値だけを大きく報道するなど、一部のことがらのみを強調するような伝え方も目立つ。(談)
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 ひろた・いさむ 一九六六年東京大学理学系大学院博士課程修了。米国大気科学研究センター客員研究員、気象研究所主任研究官、オックスフォード大学客員研究員、京都大学大学院理学研究科教授などを歴任。地球規模の大気の流れで気象を見る「グローバル循環」の考え方を提唱。
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 京都大学名誉教授で、元日本気象学会理事長である廣田勇氏の談話です
・100年後の予測など検証不可能
・計算結果の最大値だけを大きく報道
・科学の場合には、検証ができないことの予測には科学的な意義はない
・数値モデルを使った気候予測が盛んに行われているが、研究の歴史が浅いし、不完全な問題点が多々残されている
・良心的な研究者はそれを承知しているが、そこから外部に出て来る情報に関しては、往々にしてその認識が抜け落ちている

 2008年4月23日、環境新聞に掲載された記事とのことですが…、こういう大切なことは、NHKなどもとり上げて、もっと広く報道されないといけないと思いますが。。。。
 


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コメント 2

大将

確かに5分後の事ですら理解しようとせずに
思いつきで何でもやってしまうお役〇さんの牛耳るお国
100年後の予測なんて…かもしれないですね
by 大将 (2009-06-11 23:06) 

小父蔵

大将さん  コメント 有り難うございます
 ある人の話では、研究官僚という人たちが存在するようです
 所属する組織にとって都合のよい研究成果だけを発表する科学者なんて…
 最悪と思いませんか?
by 小父蔵 (2009-06-11 23:21) 

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