SSブログ

地球温暖化を見つめ直す CO2の影響 厳密な議論を [科学]

5.11資料ページ  伊藤公紀 Kiminori itoh より
http://www.jser.gr.jp/activity/e-mail/2009.3/3gw5-11.pdf

〔環境新聞2008年4月30日〕地球温暖化を見つめ直す ⑧
地球温暖化を見つめ直す 8.jpg

 CO2の影響 厳密な議論を(京都大学名誉教授・元日本気象学会理事長 廣田 勇 氏 〈下〉)

【科学として意味があるか】
 一〇〇年先の予測は検証できないものだから、雲の出方や海面との相互作用など、様々なバリエーションを考えねばならず、仮説や仮定が多く入ってくる。科学では仮説の正当性がチェックされねばならないが、気候モデルによる長期予測というのは、チェックができないことをやろうとしている。果たしてそれが科学として意味のあることなのか。社会がそれを求めているということとは、全く別次元の話になってくる。仮説の正しい検証手段を持たない限りは、科学としては認められまい。
 言うまでもなく、気候は非常に複雑なものだ。多様な要素をできる限り計算に入れていくと、どこか不確定な要素があった場合に、何が本当に気候を変化させるか。CO2ももちろん大事な要素だ。しかし、生物学で言う「リービッヒの最小律」と同様、ある特殊な成分があるかないかで微妙なバランスが大きく崩れ、全然違う結果になることもある。東洋医学で言うツボの概念も同じだ。

【気候のツボは雲】
 それでは気候のツボは何か。私は雲だと思う。実は、気象学の中で雲が一番分かっていない分野だ。水蒸気が水滴になって雲になるためには核が必要だが、どこにどれだけ核になる物質があり、そのうちのどれだけが雲になるか把握するのは、困難を極める作業だ。それこそ、本当に良心的な研究者にとっては、そこが最も弱いことはよく分かっている。
 また、CO2の増加によって本当に気温がニ~三度C上がれば、雲のでき方は今とは違ってくるはずだ。それがどう変わるかは、今のところ誰にも分からない。気温の分布が変わると上空の巻雲の量に影響し、それが太陽エネルギーの入射をさえぎるため、その変化が明確に分からない限り、温暖化の影響などは正しく論じられないという主張もある。私もほぼ同意見だ。
 私は現在の温暖化の議論についてかなり批判的な捉え方をしているが、温暖化が嘘だなどとは思っていない。むしろ、それを予測し社会に知らしめる際にどういう問題が現在あるかをはっきりさせておかないといけないと考えている。
 CO2に温室効果があることも、CO2が増加していることも間違いない。問題は、それが温度にして何度影響するのかという厳密な議論が必要なのだ。(談)
====================

 京都大学名誉教授で、元日本気象学会理事長である廣田勇氏の談話です
・気候モデルによる長期予測というのは、チェックできないことをやろうとしている
・果たしてそれが科学として意味のあることなのか
・仮説の正しい検証手段を持たない限りは、科学としては認められない
・実は、気象学の中で雲が一番分かっていない分野だ
・本当に良心的な研究者にとっては、そこが最も弱いことはよく分かっている
・CO2に温室効果があることも、CO2が増加していることも間違いない
・問題は、それが温度にして何度影響するのかという厳密な議論が必要なのだ


 さすが、気象学の専門家の指摘だけあって、的を射たものになっていると思います

 現在、行われている地球モデルによるシミュレーションで、100年先の気候が予測できる確率は相当低いと考えたほうがよいと思います

 仮に、二酸化炭素濃度の増加で温暖化しても、それに伴なう、雲量の変化を予測することが出来ない限り、正確な気候変化の予測は困難である。ということが理解できました
 


nice!(15)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 15

コメント 5

侘び助

今総理の記者会見で温暖化の事を演説中~です。
by 侘び助 (2009-06-10 18:25) 

小父蔵

侘び助さん  コメント 有り難うございます
 炭酸ガスの排出量を2005年を基準に、15%削減を中期目標にするようですね
 その程度の削減で、地球の温度にどの程度の変化があるのか明らかにして欲しいと思います。効果の期待できないものに、何兆円も税金を無駄遣いするのは困ったものです
by 小父蔵 (2009-06-10 19:28) 

NO NAME

 二酸化炭素削減のため費用がかかるという論理自体極めて不自然ですね。 つい最近自動車不況で高炉の一部が止まったと言われていましたが買い替え需要でまた動きだすのではないでしょうか。
 今の政策から考えれば二酸化炭素排出削減が目的ではなくアメリカ等からの排出権の購入、見返りとしてのエコ製品や省エネ技術の輸出が目的としか思えません。 つまり政財界は人為的な二酸化炭素排出が危険なものと認識していないと思われます。
by NO NAME (2009-06-11 08:45) 

小父蔵

NO NAMEさんへ

>二酸化炭素削減のため費用がかかるという論理自体極めて不自然ですね
 理屈ではなくて、二酸化炭素削減を名目にして莫大な血税が浪費されている実態が問題と思っています。太陽光発電の補助金、風力発電設備に対する補助金、国民に対する啓蒙費など、数え上げたらきりがありませんが…

>つまり政財界は人為的な二酸化炭素排出が危険なものと認識していないと思われます。
 そんなことは、端から分かっていることだったと思います。ただ、金になるから利用しているだけでしょう。
by 小父蔵 (2009-06-11 11:57) 

大将

確かに何かを知ろうとするときには
多方向から物事を見なければならないですね
しかもその方向性は多ければ多いほど良く
情報も多ければ多いほど良い
特に自然が行おうとしている事は
人間が考えも及ばない角度からも見る必要性はあるでしょうね
by 大将 (2009-06-11 23:09) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。