文民統制ってなに…!? 〔平和国家には必須〕 [社会]
ひと頃、世間を騒がせた「文民統制」ってなんでしょうか?
広辞苑 第五版には、次のように記述されています。
ぶんみんとうせい【文民統制】
シビリアン‐コントロールの訳語。
日本には、文民統制という概念が、もともと無かったことを意味するのでしょうか?
シビリアン‐コントロール【civilian control】
軍隊の指揮権が文民によって統制されること。
また、政治の軍事に対する優位を定めた制度。
軍部の政治への介入や独走を抑止するためのもの。
文民統制。
(広辞苑 第五版)
シビリアン・コントロール
〈文民統制〉と訳す。
国防に関して文民が最高の指導権をもつ制度。
軍部の政治介入を防ぐための原則である。
明治憲法下における統帥権の独立はこの原則に反するものであった。
(百科事典 マイペディア 電子辞書版)
civilian
[名](軍人・警察・消防署員・僧侶に対して)一般市民、民間人、文民。
[形]民間の、一般市民の:非軍事的な
control
[SVO]〈人・政府が〉〈物・人など〉を支配する、統制[管理、制御]する、操作する、監督[指揮]する、左右する。
(ジーニアス英和辞典 第3版)
「文民統制」とは、軍の指揮権を軍人以外の者がもつ制度を指すようです。
ここで大きな矛盾が生じます。
日本国憲法 第九条を読む限り、「陸海空軍その他の戦力は保持しない」と規定されています。
つまり憲法上、日本には軍および軍人は存在しないのです。
もともと存在しないはずである軍の指揮権が、いったい誰にあるのかなんて、憲法に規定できるはずがありません。
国家の最高法規である憲法に、軍の指揮権が規定されていない。これは恐ろしいことです。
日本国憲法を平和憲法という人がいます。
暴力装置としての陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊は現存するのです。
しかし、暴力装置である軍の指揮権は憲法に規定されていないのです。
この現状をしっかり把握した上で、今一度よく考えてみてください。
日本国憲法のどこが、平和憲法なのでしょうか?
憲法で禁止されている陸海空軍その他の戦力を保持しています。その上、暴力装置たる軍の指揮権が誰にあるか、憲法に規定されいないのです。
(まるで、安全装置がついていない拳銃のようです)
今の日本が、何を根拠に、平和国家といえるのでしょうか?
このような状況にありながら、一個人の歴史認識を論文に書いて発表しただけで(思想及び良心の自由と表現の自由は憲法に規定されています)、憲法に規定されていない「文民統制」(≒軍の指揮権)を持ち出して袋叩きにするのが、今の日本の実情のようです。
田母神前航空幕僚長に纏わる騒ぎは、実際のところ政府とマスコミによる言論弾圧であった可能性が高いのでは?
(こんなことで、日本は法治国家といえるのでしょうか?)
そんなことを、今日もぼやいている駄目オヤジなのですが。。。。(小父蔵)
この国に、命を懸けるだけの価値が本当にあるのか?
占領統治下に押し付けられた自虐史観にもとづく歴史教育、これ以上続けたら日本は分解してしまうのではないか? と、思えてなりません
田母神氏の論文の締めに、「歴史を抹殺された国家は衰退の一途を辿るのみである。」と記されています。
地に足をつけた平和が必要なのでは?
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いずれこの件については私のBLOGでも書こうと思っていますが、戦争論をはじめとする戦争についての古来よりの本に書かれているのは、政略や外交などの要素を戦略や戦術に加味しようとすることは(戦争に戦争以外の判断基準を加えること)は戦闘での勝利そのものを失う事に繋がるとのもので、日本以外の国では日本流の文民統制という概念は持っていないようです。(従ってシビリアンコントロールという言葉自体が和製英語で、海外では存在していないか概念そのものが違う。)
基本的に、決定には軍として粛々と従い行動すると言うことを基本に、決定の場にはその分野を専門的に扱うプロとして参画し意見を述べ、また外部に対してもその意見を普通に言うというのが、他の先進民主主義国家における軍の普通のあり方ではないのかと感じています。
そもそも制度やシステムが軍の暴走を防ぐことが出来るという観念自体が大きな間違いで、どれだけ精緻なシステムを作り上げたとしても組織員の大多数の意識が暴発であった場合には防ぐことが出来ず、それを防ぐことが出来るのは自衛隊員自身のプライドと意識以外にあり得ません。
なにか自衛隊に関する様々な論評や組織論を聞く度に違和感を感じるのは、自衛隊員といえども日本国民で私たちと同じ遵法意識・常識に支配されているのだという単純な事実を置き忘れたかの議論です。
もっとも大切なのは制度上の問題以上に、自衛隊の皆さんにプライドと国防のプロとしての高い職業意識を持っていただくことだと感じています。
by たいせい (2009-07-31 21:41)
たいせいさん コメント 有り難うございます
田母神前航空幕僚長は、日本は「良い国」だといったら解雇されたのです。
自分と部下が、命懸けで守っている国を、「良い国」だといったら解雇ですよ。
そんな馬鹿なことをして、自衛隊の皆さんにプライドを持てと言えますか?
自衛隊員に、国防のプロとして高い職業意識を望むなら、日本という国が、命を懸けて守るべき国家であるかどうかが重要です。今のような、歪んだ歴史教育を続けていたら、そんな意識は持てそうにないと思いますが…
by 小父蔵 (2009-07-31 22:01)
(追加コメントで恐縮です)
シベリアンコントロール(文民統制)という日本風の概念自体に変なところがあるとの意で書いたコメントです。
到底現状がよい状態だとは考えておらず、歪みだらけのいびつな構造になっていると感じています。
本当ならば私の方もこの件のみで纏めた記事を書こうと思ってはいるのですが、なかなか書けずに今に至っています。
先日参加した田母神前空幕長の講演会についての記事で(コメント欄含む)、この件については多少触れていますのでTBを送らせていただきました。
by たいせい (2009-07-31 22:29)
はじめまして。
私のブログにご訪問いただいてnice!ありがとうございました。
恥ずかしながら政治には無頓着というか絶望・・でしたが、
このように書いていただくと、バカな私にもわかりやすくて
大いに参考になりました。
これからもどんどん、ぼやいてくださいね(笑)
by toyo (2009-07-31 22:48)
たいせいさん コメント 有り難うございます
トラックバック先の記事を拝読しました。
国民の立場として考えれば、国民の生命や財産、領土を守るのは政府の役目です。外交と軍事は、そのための手段にすぎません。
でも、日本の政治家は、軍事音痴と外交音痴ばかりに見えます。
政治家には、良い意味でのしたたかさが必要ですが、良く言えばお人好しですが、外国の政治家からみたら馬鹿と阿呆の集団に見えるのではないかと思えてなりません。
民主党なんて、有権者の関心(票)を引くために、出来もしないことばかり言ってますし…
いまこそ、是々非々を明確にして、言うべきことは言う人がリーダーになるべきではないかと思うのですが。
by 小父蔵 (2009-07-31 22:53)
訪問有難うございます。
またまた難しい問題を。 確かに憲法上軍隊が無いのシビリアンコントロールを論議する事はおかしいですね。
by kotobuki1946 (2009-07-31 22:57)
toyoさん コメント 有り難うございます
こちらこそ、今後もよろしくお願いいたします。
by 小父蔵 (2009-07-31 23:00)
kotobuki1946さん コメント 有り難うございます
自衛隊という名の軍隊を、実際に保持しているのですから、文民統制は必要だと思います。ただし、法治国家であるならば、憲法にきちんと明記すべきではないかと思いますが…
by 小父蔵 (2009-07-31 23:09)
ご訪問&niceありがとうございました♪
by nyankome (2009-07-31 23:21)
お越しいただいてありがとうございました。
取り上げられているテーマは賛否両論、纏まりにくいものですね。
by まっきー (2009-08-01 00:14)
nyankomeさん コメント 有り難うございます
こちらこそ、よろしくお願いいたします^^
by 小父蔵 (2009-08-01 00:26)
まっきーさん コメント 有り難うございます
国防には、自分や家族の命が懸かっているのです。真剣に考えれば、いろんな意見があるのが当然なのかもしれません。今の政府や、御用学者or無用学者のいうことを鵜呑みにしないで、自分の頭で考えることが大切ではないかと思いますが…
by 小父蔵 (2009-08-01 00:46)
確かに言葉遊びのように
日本には自衛隊はいるけど軍人はいませんね
ほんとうに言葉遊びが好きな人種のようです
by 大将 (2009-08-05 09:06)
大将さん コメント 有り難うございます
日本人は、憲法や法律、条約、契約などより、感情を優先する民族のようです。
マスメディアと御用学者が、国民感情を煽り(マッチ)、国民感情を大義名分として利用し、政府を脅して問題解決を迫る(ポンプ)。ことが多いようです。
こんなことを続けていたら、他の国からは信用されないと思いますが…
by 小父蔵 (2009-08-05 17:51)