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ビッグバン仮説とは [科学]

世界の論争・ビッグバンはあったか―決定的な証拠は見当たらない (ブルーバックス)

世界の論争・ビッグバンはあったか―決定的な証拠は見当たらない (ブルーバックス)

  • 作者: 近藤 陽次
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/08
  • メディア: 新書


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〈インフレーション・ビッグバン論〉

 インフレーション・ビッグバン論によれば、宇宙は、百数十億年前に、何も存在しない真空の中での量子的な揺らぎから非常に高密度の物質が生まれ、それが超光速で膨張(インフレーション)して生まれたものである。
 しかし、現在の量子物理学の知識では、その一番最初の状態は表現できないので、インフレーション・ビッグバン論における宇宙は、プランク係数から導き出されるいわゆるプランク長さに至った段階から描写される。また、プランク長さに至るまでの時間はプランク時間と呼ばれる。
 プランク長さは、10のマイナス33乗センチメートルほどの長さで、ゼロを並べて書けば、0.000000000000000000000000000000001センチメートルとなる(ちなみにプランク時間は、約10のマイナス43乗秒)。この大きさから、最初のインフレーションが終わる1センチメートルの大きさに膨張するのに約10のマイナス33乗秒かかるから、この膨張の速度は、光の速度の10の22乗倍以上ということになる。この段階で、超光速のインフレーション的膨張が終わる。
 だが、論文によっては、インフレーションは10のマイナス35乗秒で終わるとするものもあるし、宇宙が10センチメートルの大きさになるまで続くとするものもある。
 約1秒後には、宇宙はニュートリノにとって透明になる。物質の密度が極めて高いとニュートリノは通り抜けられないのだが、このころになると、ニュートリノが通り抜けられるくらいにまで宇宙の物質の密度が下がるのである。
 その後、生まれたての宇宙は膨張を続けるが、一番最初から計って数秒から三分くらいのあいだに核融合がおこなわれ、初めは水素原子だけだった宇宙にヘリウムが、重量で二割余の割合でつくられる。
 約30万年後には、宇宙背景放射にとって透明になるので、現在観測されている背景放射は、そのときの残映ということになる。だが、前述のニュートリノの背景放射のほうは、現在の観測装置では探知できるはずがなく、まったく観測されていない。
 その後も膨張が続き、約10億年くらい経ったところで、恒星やその集団である銀河系が生まれてくる。
 ここから先の宇宙がどうなるかは、その膨張の速度、つまりハッブル係数の観測数値と宇宙の全質量とによって決まることになるが、インフレーション・ビッグバン論が正しいためには、両者のあいだに一定の関係がなければならない。すると、現在のハッブル係数から考えて、宇宙の全質量の99パーセント以上が暗黒物質である必要がある。
 暗黒物質というのは、宇宙に満ちていると考えられている、現在の我々の観測にはかからない物質、すなわち見えない物質のことである。
 ただし、もし、最近言われ出したように、“暗黒エネルギー”た宇宙の膨張を加速しているものとすると、暗黒物質の量は全宇宙の30パーセントくらいですむかもしれない。
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金剛石.jpg

 ちなみに、手持ちの電子辞書で「ビッグバン」を調べると、下記のように書かれています。

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ビッグバン【ビッグバン(宇宙)】
 宇宙開闢に起こった大爆発。宇宙は今から150億年前に起こった大爆発によって生まれたとする宇宙起源説で、火の玉宇宙論ともいわれる。ビッグバン宇宙論は現在最も広く受け入れられている標準的膨張宇宙論である。
 生まれたばかりの宇宙は高温高密度状態で、物質は空間的に一様で単調な素粒子からなっていた。それが急激に膨張し冷却する過程で熱核反応によって核融合が起こり、種々の原子核が作られた。熱核反応は宇宙誕生後数百秒で終わり、宇宙は主に陽子と電子からなる熱いプラズマ状態になった。約10万年後、宇宙の温度と密度は十分下がり、電子と陽子は結合(プラズマの再結合)して中性の水素原子を形成し、いろいろな原子ができた。中性化した物質は、相互に働く重力によって、初期に存在した密度のゆらぎはしだいに成長し、ついに銀河、銀河団、超銀河団といった巨大なスケールの宇宙の大局構造を作り、銀河中には恒星が生まれ、現在の宇宙の姿へ進化したと考えられる。
 ビッグバン宇宙論は、1946年G.ガモフが提唱。当初は支持者が少なかったが、1964年、3Kという非常に低温な電波(宇宙背景放射)が宇宙を満たしている事実が発見され、これがビッグバン宇宙論と整合する初期宇宙の痕跡であることが明らかになった。さらに、理論的に予想される初期宇宙の元素合成量が観測事実とよく一致することが確認され、ビッグバン宇宙論は確立した。ビッグバン宇宙論には理論的に解決できない地平線問題、平たん性問題があるが、1981年A.H.グース、佐藤勝彦は、開闢時の宇宙は高温で極めて大きなエネルギーをもつ真空で、これが初期に相転移を起こし、何百桁もの急激な膨張を行ったというインフレーションモデルを提唱、学界から広く受け入れられている。
〔百科事典 マイペディア 電子辞書版〕
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「宇宙は、百数十億年前に、何も存在しない真空の中での量子的な揺らぎから非常に高密度の物質が生まれ、それが超光速で膨張(インフレーション)して生まれたものである。」

 ここだけを読むと、こんなものが、科学者の間で広く受け入れられているという事実に驚かざるを得ません。

 何も存在しない真空の中で、どうして量子的な揺らぎが生じるのでしょうか?

 そもそも、量子的な揺らぎってなんでしょうか?

 また、宇宙が、10のマイナス33乗センチメートルの大きさから1センチメートルに膨張し、それが今は137億光年まで膨張したと考えるなんて、本気でしょうか?

 科学の仮説には、「〇〇と考えらています」という表現がよく出てきます。

 しかし、人間はしばしば空想と事実を混同しがちな生き物なのです。

 科学者が、何をどう考えようと自由です。しかし、それが正しいという保証は無いのです。

 宇宙が膨張しているのかどうか?

 たとえ膨張しているのが事実だとしても、それがビッグバンの根拠といえるのかどうか?

 宇宙空間に背景放射と呼ばれる弱い放射線が存在するのは事実かも知れません。でも、それがビッグバンが起きたという根拠になるのかどうか?

 ビッグバンというモノを想定すれば、そういったことを説明するのに都合がよいというのと、実際にビッグバンが起きたかどうかとは直接関係がないのではないかと私は思います。

(by 心如)


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コメント 2

駅員3

ごめんなさい、訪問させていただくのが空いてしまいました!
何故かRSSの通知が来てないのは何故…?
by 駅員3 (2012-01-17 18:09) 

心如

駅員3さん、コメントを頂き有り難うございます
 ちょっと設定がおかしくなった可能性がありますね…^^;
by 心如 (2012-01-17 19:42) 

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