好きになれない言葉 [雑感]
老人介護の現場で、「〇〇さんは、だいぶ認知が進んでいる」という会話を耳にします。
「認知が進む」というのは、「認知症が重くなっている」という意味で使っているのです。
しかし、認知症という言葉を知らない人が、「認知が進む」と聞いたら、
だんだん呆けが治っているのかと思うかも…
どちらにしても、「認知症」という言葉が好きになれないのです。
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にんちしょう【認知症】
成人後期に病的な慢性の知能低下が起きる状態。
いわゆる呆け・物忘れ・徘徊などの行動を起こす。
主な原因は脳梗塞など脳血管系の病気とアルツハイマー病。
もと痴呆症と呼んだ。
(広辞苑)
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もとは痴呆症とよんでいたのです。
「痴呆が進む」と聞けば、直感的に症状が重くなったと分かりますので、
分かりやすい言葉だったと思います。
しかし、どこかの時点で、痴呆症とよばなくなったようです。
多分、「痴呆」という言葉があまりにもストレートなので、
「〇〇さんは痴呆です」というと悪い印象になってしまいます。
だから、「痴呆症」を「認知症」と改名し、わざと分かり難くしたのではないかと思います。
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ちほう【痴呆】
いったん個人が獲得した知的精神的能力が失われて、元に戻らない状態。
ふつう感情面、意欲面の低下をも伴う。
脳の腫瘍・炎症、中毒・血液循環障害また、加齢などに由来。
アルツハイマー病の類。
認知症。
(広辞苑)
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認知症
脳の器質障害によって、いったん獲得された知能が持続的に低下・喪失した状態をいう。
記銘力・記憶力・思考力・判断力・見当識の障害や、失行・失語、実行機能障害、知覚・感情・行動の異常などがみられる。
原因疾患にはアルツハイマー病、ピック病、老年痴呆、脳血管障害、てんかん、慢性のアルコール依存症(アルコール中毒)などがある。
発症時期によって、老年期認知症(65歳以上)、初老期認知症(40歳~64歳)、若年期認知症(18歳~39歳)と呼ばれる。
厚生労働省は2004年、従来の「痴呆」ということばには侮蔑的な意味合いがあるとして、呼称を「認知症」に改めた。
(ブリタニカ国際大百科事典)
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お役人の考えることって、その場しのぎに体裁を繕っているだけです。
本質的な問題を何も解決していないように感じるのは私だけでしょうか。、、
(by 心如)
少し前に、下関市長府の城下町を妻と散歩しました。
街を流れる川に、たくさんの家鴨がいます。
でも、妻はアヒルといえば、羽が真っ白だと思い込んでおり、
川で遊んでいる鳥を「オシドリ」だと思っていたそうです。
たしかに、テレビのCMに出てくるアヒルは羽が白いから、あれがアヒルだと思っていると、
川にいる鳥が同じアヒルには見えません。
でも、鴨を飼いならしたのが家鴨(アヒル)なのですから、
アヒルの羽は白いものだけとは限らないと話しましたが…
日頃の行いが悪いのか、なかなか信じてもらえませんでした。
少しは、私のことも信用して欲しいと、ぼやいている駄目オヤジなのですが。、、
特に病名などはどうしても言葉遊び的になりがちかもしれませんね
どれが良いかは選択する事は難しいですね
どうしても、その病気に対して
当事者がいると言う事実
言葉ひとつで残酷になる事もありますよね
by 大将 (2013-05-12 21:05)
大将さん、コメントをいただき有り難うございます
どれがよいかというのは、どれが正しいかどうかという意味であれば、正解はないと思います。
分かりやすく誤解が少ないほうが好きだという程度の話かも知れません。
たとえば、「めくら」というのを「視覚障害者」と言い換えようが、「つんぼ」を「聴覚障害者」と言い換えようが、それで本質的な問題が解決するとは思えないという意味なのです。
by 心如 (2013-05-12 23:11)
よかった!私と同じ考えの人がいた♪言葉を替えたからといってなんの解決にならないどころか、逆に遠ざかる気がします。逃げてはいけないと思います。
by 袋田の住職 (2013-05-16 19:21)
袋田の住職さん、コメントをいただき有り難うございます
日本の役人には、その場しのぎで問題先送りの事勿れ主義が蔓延っているのでしょうか。小さなことでもコツコツと解決しておかねば、後から問題が大きくなってしまって解決不能になるかも… その時、自分は転勤しているから関係ないと思っていたら… 給料返せと言いたい。
by 心如 (2013-05-16 19:51)