『われわれはどこへ行くのか?』 [環境]
失業中の駄目オヤジは、暇ですから図書館に本を借りに行きました^^
『われわれはどこへ行くのか?』(松井 孝典/ちくまプリマー新書)
われわれとは何か?
文明とは? 環境とは? 生命とは?
宇宙の始まりから人類の運命まで、
壮大なスケールの、地球学的人間論。
を、読みました
(P106より、引用開始)
地球のことを知らない人が語る地球環境問題
そもそも地球環境問題にとりくむというのは、「人間圏と、地球システムとの関係を明らかにする」ということです。その場合、地球のことを勉強しなければ、地球環境問題の本質はわかりません。
では小中高の地球環境教育、あるいは大学の地球環境がらみの学部でも学科でもよいのですが、地球のことをきちんと教える先生がいるかいないか、調べてみれば一目瞭然です。ほとんどいないのです。
つまり現在のいわゆる地球環境問題を考える枠組みでは、地球の理解や教育はまったく考慮されていないというのが現状なのです。
人間圏だけの、内部問題として議論されていることが問題なのです。問題に取り組む前提が間違っているのだから、正しい答えが導き出せるわけがありません。
私は、「地球を知らなければ、地球環境問題なんて議論できません」ということを講演のたびに主張し、本にも書いています。
「地球とは何か」「現生人類とは何か」「歴史とは何か」を理解するのがまず前提で、それがわからなければ文明の問題も、その本質がわかるはずがありません。
「地球にやさしく」などという情緒的で空疎な標語が出てくるのは、まさに地球のことを知らないからです。そういう、うわべは美しいけれども安易な言葉でくくってしまうと、地球環境問題をかえってわかりにくくしてしまうのです。
(引用終わり)
著者: 松井 孝典(まつい たかふみ)
1946年静岡県生まれ。東京大学理学部卒、同大学院修了。理学博士。NASA研究員、マサチューセッツ工科大学招聘科学者等を経て、現在、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授。専門は惑星物理学・アストロバイオロジー。86年に科学雑誌「ネイチャー」に海の誕生を解明した「水惑星の理論」を発表、世界的に注目される。NHK「地球大紀行」の制作には企画段階から参加し、わかりやすい解説で好評を博した。このほか、さまざまな国際学会、政府の懇談会などで活躍。科学の世界と一般大衆との橋渡し役を意識した活動を展開している。主な著書に『宇宙人としての生き方』(岩波新書)、『松井教授の東大駒場講義録』(集英社新書)、『宇宙生命、そして「人間圏」』(ワック)、『宇宙で地球はたった一つの存在か』(ウェッジ)、『コトの本質』(講談社)ほか多数。
NASA研究員もしていた、惑星物理学・アストロバイオロジーの専門家が、
>「地球にやさしく」などという情緒的で空疎な標語が出てくるのは、
>まさに地球のことを知らないからです。
>そういう、うわべは美しいけれども安易な言葉でくくってしまうと、
>地球環境問題をかえってわかりにくくしてしまうのです。
とまで言い切っているのです。
こういった話は、絶対、マスコミではとり上げられないと思いますが…
面白そうな本ですね
読んでみようと思います
by 花火師 (2009-05-24 08:34)
エコ、エコ、エコ 猫も杓子もエコ、エコ。
定額給付金は遣えという、高速道料金値下げでガソリン使って遠くへ走れと言う。
これもエコなのか、エコってほんとにわからない。
一方民間ではハイブリッドカーが一番売れている。どちらが賢いのかな。
by enosan (2009-05-24 09:59)
花火師さん コメント 有り難うございます
難しい専門用語はあまり出てきませんので、気軽に読めますよ^^
by 小父蔵 (2009-05-24 19:35)
enosanさん コメント 有り難うございます
人間圏が崩壊し、生物圏に帰るしかないのかもしれません
驕れる者は久しからず… って言いますからね
by 小父蔵 (2009-05-24 19:37)
エコだの地球に優しくだの
そういった事を声を大きくして言っている…
特にお役〇さんの大半は地球をちたまと読んでいるかもしれない
by 大将 (2009-05-25 23:18)
大将さん コメント 有り難うございます
環境問題は大事と思いますが、昨今の地球温暖化騒ぎと、本来の環境問題は本質が違うと思いますが…
by 小父蔵 (2009-05-29 10:19)