常温で核融合は起きない…!? [科学]
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(P18より引用)
錬金術はなぜオカルトか
さて、錬金術の話に戻ろう。卑金属から金が作れるという錬金術師たちの信念は、今日の科学の水準からすれば、愚かな思い込みにすぎなかったことは明らかだが、当時はその不可能性が理論的には証明されていたわけではなかったから、そのことだけで錬金術師たちを非科学的だと非難するのは筋違いであろう。錬金術がオカルト的であるのは、もっぱらその方法論にある。錬金術の理論は今日的な意味で実証可能なようにはできていなかったのである。
ところで、錬金術師たちが、長い時間を必要とはするものの自然がなし得ることは、技術によって短縮することができると考えていたことは、今日的な観点からも基本的には正しい見方だったと言わざるを得ないだろう。十九世紀以後に開発されたすべての技術、たとえば電力、原子力、遺伝子工学などなどは、自然がすでにやっていたことを応用したにすぎないからである。ただし、応用するには、それなりの理論と条件がいる。錬金術師たちは、それらについて明晰ではなかったことは確かである。
たとえば、卑金属を金に変えるということも実はできないことではないのである。宇宙における星の進化に伴って、水素やヘリウムなどの軽い元素から徐々に鉄やニッケルなどの重い元素が作られてきた、というのは現代宇宙論の常識である。だから実際、自然は卑金属から金に作ったのである。考えてみれば、すべての元素は陽子と中性子と電子の組み合わせからできているわけだから、組み合わせを変えることができれば、卑金属から金を作れるのは当たり前である。ただし、そのためには非常な高温、高圧といった条件が必要で、通常の化学的な方法ではできない。通常の化学的な方法で、卑金属から金を作れると考えていた錬金術師たちの信念は、その意味では間違っていたわけだけれども、当時そんなことは理論的に証明されていたわけではなかった。
つい最近、低温核融合の研究がほんのわずかの期間だけ流行したことがあった。核融合というのは原子核を融合させてより重い原子核を作ろうという話だから、いわば錬金術である。低温核融合というのは電流を通しただけで核融合が起こると主張するわけだから、錬金術師たちの信念と選ぶところがない。低温核融合が可能ということになれば現在の物理学の理論はひっくり返る。だから、低温核融合を信じていた人たちは、科学的な見地からは錬金術師たちよりもさらに愚かである。なぜって錬金術師たちは自分たちの信念が不可能であることをまだ知る余地もなかったのであるから。
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常温(低温)で核融合が起きないのはなぜか?
核融合を起こすには、数千万℃以上の高温に保って電気反発力に打ち勝つ熱運動を付与しなければならないからです。
一説によると、三千万℃の高温と1立方㎝当り10^14個の粒子密度を0.1秒以上持続しないと核融合は起きないと言われているようです。
各国で、核融合炉の開発が行われていますが、いまのところ高温のプラズマを磁力で閉じ込めるトカマク方式ですら核融合は起きていません。ましてや、少々の電流(電子の移動)を物質に与えたくらいで核融合が起きるとは思えません。
ある意味、核融合炉の開発は足踏み状態になっています。もし、核融合に成功するとしたら、トカマク方式ではなくて、パワーレーザーによる慣性核融合のほうかもしれません。
どらにしても、常温で核融合を起こすなんて、今のところは無理だと考えるのが妥当なようです。
(by 心如)
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【おまけ】
◎読んだ?
ホムシーと友人の会話。
友人 「君はシェークスピアは読んだ?」
ホムシー 「いやまだだ。誰が書いたのそれ?」
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国会の答弁と、米政府の言っていることにずれがある。国益を損なってまで交渉参加することはないと、今さら言うくらいなら、端から協議する必要もないと思う。TPPに参加しても、日本にはメリットがないのだから…
>「日本が交渉に参加する場合、すべての品目を交渉対象とする意思を示す必要がある。」
これって、例外品目はないと思えと言っているのです。農業だけの問題だと思い、自分には関係がないと考えていた人たちは、このニュースを聞いても、自分たちの愚かさに気が付かないのだろうか…
できれば簡単に使えるものが
安全になる可能性が高い気もしますね
もちろん可能性が高いだけで結局は使う側にも関係はありますが
by 大将 (2011-11-16 08:01)
大将さん、コメント 有り難うございます
核融合に関しては、いま現在の人類にとっては無理な技術かもしれません。将来的には、可能になるかも知れませんが、新たな問題も生じる可能性が高いと思います。
一番の問題は、地上に太陽を人工的に作ると、地球の気候のバランスが狂ってしまう可能性が高いことです。
by 心如 (2011-11-16 20:48)