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「平成の姥捨て山」というけれど… [社会]

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http://diamond.jp/articles/-/19043
食事は15分、睡眠は2時間、40人の看護に奔走――。
“平成の姥捨て山”で燃え尽きる看護師の異常な日々

まるで高齢者の「姥捨て山」のよう
家族に見捨てられた患者で溢れる病院

 「高齢者が次々に入院し、まるで姥捨て山のように置いていかれる」――。

 看護師らがため息をつく。これは地方や過疎地で、医療機関や介護施設などが少ない地域に住む“医療難民”や“介護難民”の話ではない。病院などがひしめく東京で起こっている現実なのだ。

 筆者が取材した看護師によれば、彼女が勤める病院には、高齢者が寝たきりになり、肺炎などを患って繰り返し入院してくるという。しかし入院中、家族は見舞いにも来ない。止むなく退院間際に看護師が家族に電話をかけても、「もうしばらく入院できないか」と、迎えにも来ないケースが目立っている。

 都内のある民間病院では、「退院しても、状態が悪化して再入院すると家族がホッとしているようなフシがある」と明かす。同じく、都内のある自治体病院でも、「退院が決まっても、家で看られない家族から、患者の入院引き伸ばし作戦に遭う」と話す。

 70~80代夫婦による老々介護・看護で止むを得えない場合もあれば、子どもがいても働いているため世話をできないケースもある。転院や施設への入所が必要な場合でも、家族は「あの病院は家から遠い」「あの施設は汚い」など難癖をつけ、なかなか患者を引き取らないというのだ。「この病院にもっと置いてくれないか」という相談が後を絶たず、なかには、連絡がつかなくなった家族もいるという。

 団塊世代が一斉に後期高齢者になり、人口全体の5人に1人が75歳以上となる、いわゆる「2025年問題」が迫っており、高齢世代をどうやって支えるかが火急の課題となっている。戦後1947~49年生まれの団塊世代のボリュームは、約660万人と膨大だ。彼らが後期高齢者となれば、当然、医療を頼りにするケースも増えるだろう。

 しかし、その子ども世代となる団塊ジュニアやそれ以降の層は、就職氷河期のなかで社会人のスタートを切り、自身の生計を立てるだけで精一杯の生活。一方で頼みの病院では、急増する高齢患者に対して人手が不足していることから“医療崩壊”が始まり、病床削減も起こっている。

 高齢者が激増するのに、人手不足の上、病床数は減少傾向にあるというサバイバル状態のなかで、すでに「パイの奪い合い」が始まっている。行き場をなくした高齢者が「平成の姥捨て山」に捨てられる時代が、すぐそこまで忍び寄っているのだ。

(以下、略)
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マーク 002.JPG

 引用した記事を読む限り、老人医療に関して慢性的な人手不足が生じているようです。

 これを簡単に解決する方法はなかなかありません。

 老人になれば、身体のどこかに何らかの不具合を生じるのは当たり前なのです。

 ヒトの健康を阻害する最大の要因は老化であるという話を聞いたことがあります。これは、長生きすればするほど、ヒトは健康ではなくなることを意味します。つまり、生きていることが一番健康に悪いのです。

 ここで問題になるのは、老人に対する医療と介護の役割分担やシステムを見直し、老人介護を充実しつつ、いかに医療の負担を軽減するかではないかと思います。

 いま現在は元気な人も、いずれは老いるのです。

 地方の中核都市に老人の住みやすい環境を用意し、都会に集中する老人を分散する方法を考えないと、都会の病院が姥捨て山になることを防ぐ方法はないのかも知れませんが…

(by 心如)


タグ:老人 医療 介護
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コメント 14

旅爺さん

今の時代、金は出すが親は見ない人が多い時代ですね。
1000人単位くらい受け入れられる巨大病院が必要ですが
政府は考えてませんね。そのうち悲惨な記事が新聞を賑わすでしょう。
by 旅爺さん (2012-05-26 08:20) 

心如

旅爺さん、コメントを頂きありがとうございます
 子どもがカネを出せるのなら、有料老人ホームで快適な老後を過ごすことが可能かも知れませんが… 自分の生活が精一杯で、親の面倒をみる余裕がないという人が多いみたいです。
by 心如 (2012-05-26 12:40) 

吟遊詩人41

うちの施設でも半数は家族が来てるの見た事ないです^^;

認知がかなりアレしてるおばーさん(家族半年以上来てない)が、
「ここはウバ捨て山かい?」って言いますよ^^;
by 吟遊詩人41 (2012-05-26 20:46) 

心如

吟遊詩人41さん、コメントを頂きありがとうございます
 私は、5月25日よりデイサービスの事業所に就職しました。同じ敷地に、有料老人ホームも開設する予定だと聞いております。介護の資格や経験はまったくありませんので、一から勉強です。
by 心如 (2012-05-26 21:42) 

silverag

自分の子供すら満足に見れない人が増えている
子供を作らない人も・・・
親なんて見るはずが無い・・・どうする日本
by silverag (2012-05-27 15:10) 

心如

silveragさん、コメントを頂きありがとうございます
 「親は無くとも子は育つ」といいます。「案ずるよりも産むが易い」ともいいますね。最近の人は、子どもを自分の思い通りにしたいと考え過ぎなのかも知れません。とりあえず産んでおけば、あとはそれなりに育つのが子どもかも知れませんね…^^;
by 心如 (2012-05-27 15:56) 

kohtyan

高齢者の一人として、深刻な記事に愕然たる思いです。
早く死ぬしかないのかと思ったりしますが、そういうわけにもいかないので
家族に迷惑の掛けないよう、ピンピンコロリを願うしかないですね。
by kohtyan (2012-05-27 18:42) 

心如

kohtyanさん、コメントを頂きありがとうございます
 記事を書いた方は、ちょっと大袈裟に書いているのではないかと思います。でも、家族の絆すら弱いのに、日本人の絆が云々と言うのはどうなのかな… という思いもあります。
by 心如 (2012-05-27 19:55) 

大将

日本の医療の問題点のひとつですよねぇ
by 大将 (2012-05-28 12:43) 

心如

大将さん、コメントを頂きありがとうございます
 目先の利益ばかり追わないで、看護師を育成し、しっかりとした待遇を与えてほしいと思います。
by 心如 (2012-05-28 21:16) 

ラン

私も長い間看護師をしてきましたが、慢性看護師不足が当たり前で、本当に厳しい状況です。。。潜在看護師がかなり多いのでしょうね。

患者さんは増える一方ですがこれから病院は増えることはないし、在宅医療の世の中へと移っていくと思いますが・・・在宅医療もまだまだ充実しておらず、目の前に迫る現実にどう対応していけるのか不安は大きいです。
在宅に帰さないといけないけど、在宅で見れる環境が作れない現実・・・。明日は我が身で早急に対応策を考えないといけないところまで来ていますよね。
by ラン (2012-05-30 17:48) 

心如

ランさん、コメントを頂きありがとうございます
 長生きすれば歳をとります。老化すれば身体は弱ります。弱るのは当然なのでが、何処までが医療の対象なのかを考えるべきなのではないかと思う部分もあります。なんでもかんでも医療の対象にするからおかしい部分もあるのではないかと…
by 心如 (2012-05-30 21:03) 

多夢

ん~。こういった記事を読むと、なるほどなぁ~と思うとともに、高齢者を介護放棄的に簡単に入院させることはできないなぁ。と思わされます。
by 多夢 (2012-06-01 20:02) 

心如

多夢さん、コメントを頂きありがとうございます
 老人が沢山いて、子どもはどんどん減っているのも事実です。子どもを産んで育てなかった人が、若者が納める保険料や税金から年金を受け取るのはどうなのか… という思いもあります。
by 心如 (2012-06-01 20:54) 

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