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学生・生徒の自殺が増加!? [雑感]

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http://news.mynavi.jp/news/2012/06/11/108/index.html
学生・生徒らの自殺、初めて1000人超える--2011年、雇用情勢悪化が影響か

内閣府はこのほど、2012年版(平成24年版)自殺対策白書をWebサイトにて公表した。それによると、2011年の学生・生徒などの自殺者数は1,029人と、調査を開始した1978年以来初めて1千人を超えたことが分かった。

2011年の自殺者総数は前年から1,039人(3.3%)減少した3万651人で、1998年に自殺者数が急増して以降初めて3万1,000人を下回った。男女別で見ると、男性は2万955人、女性は9,696人となり、男性の自殺者は女性の2倍以上の数字を記録している。

自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は24.0で、前年の23.4から若干減少。内訳は、男性が33.7、女性が14.8となっている。

職業別の自殺者数を見た場合、最も多かったのは「無職者」で1万8,074人。以下、「被雇用者・勤め人」が8,207人、「自営業・家族従業者」が2,689人、「学生・生徒など」が1,029人、「不詳」が852人と続いた。2007年以降の推移に限って見ると、総数が減少傾向にある中で「学生・生徒など」の自殺者は微増を続けており、1,000人を突破したのは1978年の調査開始以来初となるという。

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原因・動機別の自殺の状況については、「健康問題」が最多で1万4,621人。次いで、「不詳」が8,070人、「経済・生活問題」が6,406人、「家庭問題」が4,547人、「勤務問題」が2,689人、「その他」が1,621人、男女問題」が1,138人、「学校問題」が429人となった。

また、白書によると、経済状況の相対的な改善につれ、中年男性の自殺死亡率が減少傾向にある一方、20代以下の若年層の自殺死亡率が上昇しつつある事が判明。これは、20~29歳の自殺死亡率の推移と若年失業率を比較すると、両者は近い動きを示していることから、派遣社員やアルバイトといった非正規雇用の割合の増加など、若年層の雇用情勢の悪化が自殺死亡率の上昇に影響している可能性があると分析している。さらに、2009年を境に「就職失敗」による自殺者が急増していることについても、注意が必要だと指摘している。

このほか、2011年における月別の自殺者数の動向を見てみると、年初から前年同月をおおむね下回って推移した後、4月から6月にかけて増加。4月は前年同月比126人増の2,711人となった後、5月には同593人増の3,375人に急上昇、6月も5月よりは減少したものの同257人増の3,037人を記録した。このうち5月の急増に関しては、自殺した著名人についての報道が影響しているとの見方もあるという。
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「年別自殺者数推移」

  年     西暦年   自殺者数  学生・生徒等数

昭和53年  1978年  20,788    829
昭和54年  1979年  21,503    876
昭和55年  1980年  21,048    673
昭和56年  1981年  20,434    634
昭和57年  1982年  21,228    621
昭和58年  1983年  25,202    675
昭和59年  1984年  24,596    569
昭和60年  1985年  23,599    592
昭和61年  1986年  25,524    767
昭和62年  1987年  24.460    562
昭和63年  1988年  23,742    618
平成元年   1989年  22,436    554
平成2年   1990年  21,346    509
平成3年   1991年  21,084    482
平成4年   1992年  22,104    535
平成5年   1993年  21,851    549
平成6年   1994年  21,679    653
平成7年   1995年  22,445    617
平成8年   1996年  23,104    617
平成9年   1997年  24,391    617
平成10年  1998年  32,863    818
平成11年  1999年  33,048    825
平成12年  2000年  31,957    756
平成13年  2001年  31,042    749
平成14年  2002年  32,143    673
平成15年  2003年  34,427    788
平成16年  2004年  32,325    784
平成17年  2005年  32,552    861
平成18年  2006年  32,155    886
平成19年  2007年  33,093    873
平成20年  2008年  32,249    972
平成21年  2009年  32,845    945
平成22年  2010年  31,690    928
平成23年  2011年  30,651  1,029


 引用した記事を読む限り、学生・生徒や20代の若者の自殺が増えているようです。

 その原因に、若者の雇用情勢の悪化をあげているようです。

 確かに、若者の雇用情勢が悪化しているのは事実ではないかと思います。では、なぜ若者の雇用情勢が悪化しているのかという、一歩踏み込んだ考察は存在しないようです。

 教育関係者(小学校や中学校の教師)は、高校や大学を卒業しても、なかなか良い就職がないから、社会が悪いと思っているかも知れません。でも、私に言わせれば、小学校や中学校の教師が、まともな教育(読み書きそろばん)をきちんとやっていないことが、若年層の生きる力を奪っているという実態があると思います。
 最高学府である大学生が分数ができないと聞けば、小学校や中学校の教師はなにをやっているのだと言われても仕方がないのです。そして、そういうある意味で欠陥品を、授業料欲しさで受け入れる高校や大学にも問題があるのです。小学校の算数が出来ない者に、大学に行く意味があるとは私には思えません。
 小学校や中学校の教師は、教室で問題(トラブル)が発生することを極端に恐れます。問題(トラブル)さえ起きなければ、生徒の学力低下は問題にならないのです。だから、自分の子どもの学力を本気で心配する親は、子どもを塾に行かせたり、子どもに家庭教師をつけるしかないのです。

 教育とは、子どもが社会で生きていくための知識を教えて能力を伸ばすのが最も大切な目的ではないかと思います。ところが、小学校、中学校の義務教育で、その大切な基礎を身につけることが出来ないのが、いま現在の日本の実態のようです。分数を理解できない大学生が社会に出ても、自分の希望する職に就くのは困難ではないかと言わざるを得ないのです。

 若者の自殺を減らしたいと本気で思うのであれば、小学校や中学校の先生の事勿れ主義(リスク回避を優先し、児童・生徒の学力向上を二の次にしている)を払拭し、児童・生徒の真の学力向上を図る以外に有効な方法はないと私は思います。

(by 心如)


タグ:自殺 生徒 学生
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大将

自殺って殺人だと思います
自分で自分を殺す
とても卑怯で必ず後悔する行動
心の学習ができない今の学生、そしてそれを教える術がない教師
なんだか心が貧しいですね
by 大将 (2012-06-12 10:28) 

袋田の住職

いろいろな機会に、小学生や中学生に、生きるということの意味合いについて伝えています。
大人になるころに、そのメッセージを思い出してもらえればよいのですが・・・
親以外で、心を開いて話せる大人がいるとよいですね・・・
by 袋田の住職 (2012-06-12 11:11) 

多夢

最近「いじめ」は減ってきているのか、あまりメディアで問題になりませんね。
by 多夢 (2012-06-12 12:02) 

shira

 仕事に就けない若者の問題は、雇用情勢が一番の問題ではありますけど、教育側にもやるべきことがあるというのはその通りだと思います。私も教育業界の人間ですから責任を感じています。
 で、義務教育で「まともな」学力をつけねばならないというのも同感なんですけど、厄介なのはどういう学力をどの程度のレベルまでどの程度の人数に身につけさせればいいのかの社会的要請が、時の政治経済状況でかなりコロコロと変わることです。
 高度成長時代の産業界はとにかく元気でさえあればOKで、ヘタに労働三法など知らない方が使いやすかったから地方の中卒を「金の卵」ともてやはしました。バブル期は真面目一点張りでは新しいモノは作れないため、遊ぶことのできる若者が重要視されました。今はとにかく即戦力です。
 ただし以上は「今、目の前の若者達を何とかしてやらねば」という意味です。戦後一番若者(20代30代)の自殺が多かったのは昭和33年、当時の20代30代は現在よりも人口は少数でしたから相当な自殺率です。理由のNo.1は「厭世」です。21世紀の日本は若者が世を儚んで自殺するような優雅な状況にはないのでしょう。

by shira (2012-06-12 20:35) 

心如

大将さん、コメントを頂きありがとうございます
 自殺する学生・生徒は、未来を切り開く知識や技能、自信が持てないのではないかと思います。そういう自暴自棄の状態に子供を追い詰めているのは、今現在の日本の教育制度が一因である可能性は高いと私は思います。
by 心如 (2012-06-12 21:12) 

心如

袋田の住職さん、コメントを頂きありがとうございます
 子供の頃、月に一度、若講というのがあって、部落の公民館でお坊さんのお経と法話を聞いていました。お菓子目当てで参加していたのかもしれませんが、人間はどう生きるべきかというお坊さんの法話も楽しかったという印象が残っています。
 最近は、土曜、日曜まで、学校のクラブ活動があるみたいですが、身体を鍛えるだけではなく、精神の鍛錬もする必要があるのではないかと私は思います。
by 心如 (2012-06-12 21:18) 

心如

多夢さん、コメントを頂きありがとうございます
 学生・生徒の自殺の原因に、イジメは確実にあると思います。それを報道しないだけかもしれません。日本のメディアは事実をきちんと報道しないので、実態がどうなっているのかは慎重に判断するべきかも…
by 心如 (2012-06-12 21:27) 

心如

shiraさん、コメントを頂きありがとうございます
 三角関数や微分・積分、連立方程式が解けなくても生活にはあまり困りません。外国語も出来れば越したことはありませんが、まずは日本語の読み書きがきちんとできないと困ります。新聞に書かれていることは読めないと…
 そういう意味で、読み書きと四則演算や分数計算くらいまでは出来ないと困ります。大学生が分数計算を理解できないなんて、我々の世代ではちょっと考えられない話ですが…
by 心如 (2012-06-12 21:38) 

figaro

雇用の悪化は学生に限った事じゃないですから、これだけを理由にされると、何か違和感があります。
あと、まともな教育をしてないと言うところは同感です。
「詰め込み教育」と言われた世代ですが、自分の能力が足りない部分は、頑張っても入ってこなかったのは悔しかったです。
でも、今は九九や分数が出来なくても大学に簡単に入れてしまう。
会話していても日本語も通じないのか?と思ってしまう事もよくあります。
個人差は確かにありますが、脳内が中学生にも達していないのに大学生を名乗っているのには正直、腹が立ちます。
今年の新入社員の一部も同じです。
長年勤めているパートさんの倍の給料貰って適当な仕事しかできない。
これは会社も悪いのですが・・・。
by figaro (2012-06-12 22:35) 

心如

figaroさん、コメントを頂きありがとうございます
 小学校や中学校の先生が、教室で何を考えて授業をしているのかが問題なのです。子供たちの学力向上は二の次で、無難に授業を消化すること(先生の保身)が第一になっているのではないかという疑問があるのですが…
by 心如 (2012-06-13 04:47) 

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