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わかっていないことのほうが多い!? [科学]

地球について、まだわかっていないこと (BERET SCIENCE)

地球について、まだわかっていないこと (BERET SCIENCE)

  • 作者: 山賀 進
  • 出版社/メーカー: ベレ出版
  • 発売日: 2011/11/21
  • メディア: 単行本



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『地球について、まだわかっていないこと』(山賀進/ベレ出版)

 数学・物理学史上空前の天才であるあのニュートンも、「私は真理の大海原を前に、浜辺できれいな小石や貝殻を拾って遊んでいる子供に過ぎない」と言っています。
 できる人ほど、自分がどこまでわかっていて、逆に何がわかっていないか、そのわかっていないことの方が圧倒的に多いということを、よくわかっているということだと思います。(「はじめに」より)

 第1章 地球と月の関係について

・地球と月はほぼ同じころにできた。
・地球のマントルとは元素の組成までよく似ている。
・月の成因としてはジャイアント・インパクト説が有力である。
・なぜ月が誕生するようなうまいジャイアント・インパクトがあったのかはわからない。
・月にはほかに、表裏の様子の違い、重心のずれの問題など未解明のことがある。

 第2章 海水の起源と変遷について

・海水は地球内部からの脱ガス(火山ガス)が起源である。
・海水は40億年ほど前からあり、海水の塩分の組成もそれほど変わっていないだろう。
・海水の量の変化についてはよくわかっていない。
・海水はもう減り始めていて、10億年後に海水はなくなるという説もある。

 第3章 生命の誕生と進化について

・生命がどこでどう誕生したのかわからない。
・地球の生物の起源は単一らしいが、まだ確証はない。
・なぜ地球の生物はL型のアミノ酸しか使っていないのかはわからない。
・宇宙に生物は普遍的にいるのか、あるいは地球にのみ存在しているものなのかわからない。
・生命(生物)の誕生と進化が必然なのか、偶然なのかわからない。

 第4章 生物の大量絶滅について

・6550万年前(K/T境界)の大量絶滅は隕石の衝突がその原因らしい。
・隕石衝突後の地球環境の変化についてはよくわからない。
・この絶滅の原因は、隕石衝突だけなのか、火山噴火など他の要因はなかったのかについてはわからない。
・なぜ哺乳類や鳥類が生き残ったのか、生き残ったものと死に絶えたものがいるのがなぜかはわからない。
・2億5100万年前(P/T境界)の大量絶滅の原因については、ほとんどわかっていない。

 第5章 プレート・テクトニクスについて

・地球の表面は何枚かのプレートにおおわれている。
・プレートは相互に移動している。
・プレートの境界で地震や火山の噴火が起きている。
・大山脈や海溝などの大地形もプレートの運動によってできる。
・プレートの境界についてはまだわからない箇所もある。
・弧状列島の成因、プレートの沈み込みの角度、トランスフォーム断層の成因などもわからない。
・何よりも、プレート運動の原動力がわかっていない。

 第6章 地震予知とアスペリティ・モデルについて

・断層運動が地震の原因だとわかった。
・原因はわかっても予知はできていない。
・東北地方では東北地方太平洋沖地震のような超巨大地震は起きないと思われていた。
・日本付近の地震の起こりかたをうまく説明できると思われていたアスペリティ・モデルは見直しを迫られることになった。

 第7章 マグマの発生について

・マグマはマントルの上部から発生する。
・マントル上部(かんらん岩)が部分溶融すると玄武岩質マグマとなる。
・地球上ではマグマはおもに海溝付近、海嶺付近、そしてホットスポットで発生する。
・かつてはマントル深部に固定されていると思われてきたホットスポットは、それ自身が移動しているという可能性が出てきた。
・冷たくなったプレートが沈み込む海溝でのマグマの発生についてはかなりわかってきた。
・玄武岩質マグマからも花こう岩はできるが、それだけでは地球上の花こう岩の量が説明できず、花こう岩の成因についてはよくわかっていない。

 第8章 地球内部について

・地球の層構造(地殻、マントル、外核、内核)、地震波速度や密度、圧力分布についてはかなり詳しくわかっている。
・地震波CTが開発された結果、マントル深部までが「見える」ようになってきた。
・核の内部についてはまだ見えない。
・地球内部の温度はわからない。
・地磁気の成因である地球内部のダイナモ(発電機)の具体的なメカニズムはわからない。
・現在、地球磁場が逆転しつつある可能性が出てきた。

 第9章 過去の気候変動について

・地球は過去に、氷河期、無氷河期、全球凍結という3つの異なる様相の時代があった。
・現在は氷河期のなかの間氷期である。
・現在の氷河期内の、氷期・間氷期の繰り返しは、ミランコビッチ説でかなり説明できることがわかった。
・しかし、ミランコビッチ説では氷河期、無氷河期、全球凍結という大きな変化は説明できない。
・地球の温度は、太陽からの入射エネルギーと地球からの放射エネルギーが平衡になるような温度である。
・地球の温度決定のメカニズムが正確に分かっているとはいえない。

 第10章 二酸化炭素の増加と地球温暖化について

・産業革命以後、大気中の二酸化炭素は増加している。
・それ以後、地球の気温も、ある程度揺らぎながら上昇している。
・その温度上昇の主要因が人類の活動の影響かは断定できない。
・太陽の細かい変動と地球の気候の関係ははっきりしていない。
・太陽の無黒点期が続くと、地球が寒冷化する可能性がある。これも因果関係ははっきりとはしていない。
・太陽活動そのものの変化がわからない。
・将来の予想を立てるのは難しい。
・海水面の上昇に限っても、IPCCの予測通りになるかはわからない。
・地球が温暖化するとしても、それが人類にどのような影響を与えるかについてはよくわかっていない。

 第11章 石油の可採年数について

・石油を含めた資源には限りがある。
・すでに石油採掘の場所は陸から浅海、さらに深海へと移っている。
・石油があと何年、本当にもつのかはわからない。

 第12章 原子力の諸問題について

・福島第一原発事故の詳細はわからない、今後どのように収束していくのかもわからない。
・福島第一原発では、一番恐れられていた炉心溶融(メルトダウン)が起きた。
・メルトダウンが起きたのに、なぜ水蒸気爆発しなかったのかはわからない。
・被曝量と晩発性障害発生の関係が、どんなに低線量被曝でも比例関係にあるのかはわかっていない。
・低線量被曝はかえって健康にいいというホルミシス説は実証されていない。
・限界線量程度の低線量被曝を、長期間継続したときにどのような害が出るのかはわからない。
・原子力発電は地球温暖化防止に役立っているとはいえない。
・原子炉を運転すると必ず出る放射性廃棄物の処理については決まっていない。
・原子力発電の発電単価は安いとはいえない。

 第13章 地球の定員について

・地球には定員があり、食糧生産の限界を上限とすると最大でも240億人くらいとなる。
・世界は人類史上2回目の人口爆発を迎えている。
・日本は人口減の段階に入っているが、なぜそうなったのかはわからない。
・生活の快適さや、持続的維持の可能性までを加味した地球の定員はわからない。

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 「原発を運転すると必ず出てくる放射性廃棄物の処理については決まっていない。」と、「原子力発電の発電単価は安いとはいえない。」の二つをみて、それでも原発が必要だと考える人の頭の中身は何が詰まっているのだろうか。
 そして、使用済み核燃料を再処理しないで直接処分するとしても、100年くらい冷却しながら保管した後でないと処分ができないのです。処分地が見つかったとしても、数万年から数十万年も管理が必要だという事実をどう考えるのでしょうか。
 いま現在の我々がたった数十年だけ使った原発のせいで、数万年から数十万年も保管を続けないといけない放射性廃棄物を大量に残すのは身勝手にもほどがあると思います。
 高くて危険な原発に頼るよりも、安くて安全な天然ガス火力発電を当面は使い、石油に代わるエネルギー開発を急ぐべきだと私は思います。

(by 心如)

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コメント 2

大将

わかった!と言う事と理解したという事
それにわかったつもりでは雲泥の差ですね
by 大将 (2012-11-27 12:25) 

心如

大将さん、コメントをいただき有り難うございます
 天才と呼ばれたニュートンですら、自分のわかっていることは僅かで、まだわからないことが沢山あると言っているのです。アインシュタインも、知識よりもイマジネーションのほうが大切だと言ったとか… わかっている人ほど、わからないことが多いというのがわかるようです。
by 心如 (2012-11-27 13:12) 

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