宇宙で発電し地上に送電!? [雑感]
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http://www.asahi.com/articles/ASH2M5CQGH2MULBJ005.html
宇宙で発電し地上に送電、実証試験へ JAXAなど
2015年2月21日05時12分
宇宙空間で太陽光発電をして地上に送電するシステムの実現に向け、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは3月1日、兵庫県内で行う、無線で送受電する実証試験を報道関係者向けに公開する。屋外に設置した送電側のアンテナから受電側のアンテナに向けてマイクロ波を送る。
JAXAは2009年度から宇宙システム開発利用推進機構と協力し、送電側アンテナの向きがずれても正確にマイクロ波が送れる技術などを開発している。送電装置から約55メートル離れた場所に受電装置を設置。送電側から約1800ワットのマイクロ波を発射し、受電側で電気に変換する屋外試験をする。マイクロ波を正確に受け取れれば、数百ワットの電気を取り出せる。
宇宙太陽光発電システムは、天候に左右されずに発電できる。地上約3万6千キロに直径2~3キロにわたって太陽電池パネルを広げ、原発1基分にあたる100万キロワットの電気を作ることができるとされる。30~40年代の実用化をめざし開発を進めているが、送受電技術のほか、太陽電池パネルの宇宙への輸送や組み立てなど課題も多い。
(小池竜太)
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SFの世界では、静止衛星軌道上に巨大な太陽電池パネルを設置し、宇宙で発電した電気を地上に送って使うという話はお馴染みです。
太陽放射は地表に半分くらいしか届きません。宇宙空間であれば、地上の二倍の太陽放射を天候の影響なしに受け取ることが可能です。地上が夜の部分に入っても、宇宙区間であれば、太陽光発電パネルの向きを適切に調整すれば24時間の発電も可能かも知れません。発電のことだけを考えたら、宇宙空間で発電するのは良いことだと言えます。
しかし、問題はそのような巨大な装置を静止衛星軌道にどうやって打ち上げるのか。また、宇宙で発電した電気をどうやって地上に運ぶのかが問題だと思います。
直径2~3㎞の太陽光発電パネルを静止衛星軌道上に設置するのは簡単にできることではありません。さらに、その巨大な太陽光パネルを常時太陽に向けるように制御するのも大変だと思います。さらに、地上約3万6千㎞から発射した強いマイクロ波を正確に受け取る方法があるのかどうか… もし、そのマイクロ波が人の住む街などに照射されたらどんな悲惨な事故になるのか。
SFの世界ではお馴染みの宇宙で発電し地上に送電する話ですが、実現するには解決しないといけない問題が沢山あります。莫大な費用を使って研究する人はおもしろいかも知れませんが、一歩間違えば大惨事を招く危険な物だという認識があるのだろうか。、、
(by 心如)
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マイクロは【マイクロ波】
正確に定義された呼称ではなく、使用目的によって周波数帯が異なるが、狭義には波長約10~1㎝、周波数3~30GHzの電磁波を指す。
センチメートル波とも。
広義にはUHF帯をも含む。
波長が短いため光に似て直進性、指向性が著しく、電離層に反射されないので見通し外の距離に届かない。
マイクロ波の発生にはクライストロンやマグネトロン、増幅には進行波管、伝送には導波管や共軸円筒を用いる。
レーダー、テレビ、多重電話の中継などに応用され、また電波天文学、マイクロ波分光学、原子時計、直線加速装置、高周波加熱などにも利用される。
〔百科事典 マイペディア〕
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マイクロ波は、周波数によっては電子レンジに使われている電波に近いものもあります。いくら直進性が高いと言っても、3万6千㎞も離れたところから照射したら… 狙いが外れたら大変なことになると思うが。、、
これだったらメガソーラーの方が現実的な気がします。
私自身は今後の方向性としては小規模発電をスマートグリッドで制御する形が有力じゃないかと思ってます。電力会社が抵抗勢力になるでしょうけど。
by shira (2015-02-22 21:59)
shiraさん、コメントを頂きありがとうございます
そうですね。発電コストを度外視すれば、メガソーラーは既に稼動しています。メガソーラーで大惨事が起きる可能性は無いと思いますが、静止衛星で100万キロワットの電力を発電し、3万6千キロメートルも離れた地上にマイクロ波で送電したら… 100分の1の1万キロワットでも大事故になりかねません。石炭ガス化複合サイクル発電で、安くて安定した電気を供給した方が賢いと私は思います。
by 心如 (2015-02-24 19:07)